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治療・検査
過敏性腸症候群(IBS)/小腸内細菌異常増殖症(SIBO)
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最新のSIBO検査SIBOの検査
最新のSIBO検査
SIBOの診断基準は確立していませんが、これまで小腸細菌の異常増殖を調べるゴールドスタンダード検査として「空腸吸引液培養」が用いられ、培養にて小腸での細菌数の増加がみられる場合にSIBOの診断がなされてきました。
しかし、侵襲的であることや難培養菌の扱いが困難であることなどの問題があり広くは普及はしていません。SIBO呼気試験
本来ならば小腸でのガス産生量はわずかですが、SIBOでは食事に含まれる発酵し易い糖質が小腸内で発酵されることでガスの発生が多くなります。 このガスは主に水素とメタンですが、血流に乗って全身をめぐり、肺にも到達すると呼気中に含まれるようになります。
この機序を利用したのが「SIBO呼気試験」です。
食後120分以内に呼気のガス濃度が増加していればSIBOと判断しています。この検査は、まだSIBOのゴールドスタンダードの検査とは言えませんが、アメリカ消化器学会でもより良いSIBOの検査の方法や解釈について議論がなされています。
(the american journal of gastroenterology volume 112, pages 775–784 (2017))この検査ではSIBOの有無は判定出来ますが、リーキーガットの有無やカンジダ増殖については判断できません。これらの検査が必要な場合は、IgG型食物過敏症検査や尿中有機酸検査を行い参考にしていきます。
小腸内でのガスの増加測定
ラクツロースを内服後、20分毎に呼気を採取。ラクツロースが小腸から大腸へ移行するおおよそ120分までに小腸内でのガス(水素とメタン)の増加があればSIBOを疑います。尚、硫化水素ガスは測定できないが、この場合は平坦なグラフになることが多いとされます。
SIBO呼気検査では「水素ガス」と「メタンガス」を測定し、どのガスが優位かで治療に使う抗菌ハーブの種類を選択します。
また、SIBOにカンジダなどの真菌増殖を合併する場合は併せて真菌対策が必要となる場合があります。尿中有機酸検査はカンジダなどの真菌増殖を知る上で大変有用な検査であり、SIBO呼気検査と同時に行う事で治療に真菌対策を加えるかなど、より効果の期待できる治療を選択できるようになります。
※ただし、尿中有機酸検査では、小腸での増殖なのか大腸での増殖なのかは判別はできません。その他のSIBOに関連する検査
尿中有機酸検査(2回目以降は菌有機酸検査)
尿中に含まれる70種類以上の有機酸を測定することで、カンジダなどの真菌やクロストリジウム・ディフィシル菌などの異常増殖を推測することができます。同時にミトコンドリア機能の測定が可能です。
一般血液検査
基本的な栄養状態や貧血の有無を測定します
腸内フローラ検査
ヒトの腸内に生息する腸内細菌は1000種類以上いると言われており、腸内細菌叢(さいきんそう)=腸内フローラを形成しています。腸内フローラの乱れにより様々な病気(腸炎、関節リウマチ、がんなど)にかかる危険が高まることも分かってきました。 それらの遺伝子(16SrRNA)を網羅的に解析することで、あなたの腸内に生息する腸内細菌の種類やバランス(多様性)を知ることができます。これをもとあなたの体に合った食事指導や治療法をご提案することが可能です。
当院では腸内フローラ移植を受ける方のドナーを決定する際の参考にもこの腸内フローラ検査を活用しています。図は腸内フローラ移植(NanoGAS®-FMT)を受けた方(50代女性・潰瘍性大腸炎)の腸内フローラ検査の変化を示したものです。NanoGAS®-FMT前に比べ、終了後の腸内フローラにはPrevotellaが増え、慢性炎症を示唆するC.clusterⅪが消失していることがうかがえます。
腸内フローラ移植の症例についてはこちらもご参照ください
過敏性腸症候群(IBS)
小腸内細菌異常増殖症(SIBO)