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治療・検査

過敏性腸症候群(IBS)/小腸内細菌異常増殖症(SIBO)

有力視されていれる感染後過敏性腸症候群(PI-IBS)の原因

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IBSの原因は「食中毒」をきっかけとした「自己免疫反応」

IBSでは、腸の蠕動が通常よりも時には強かったり時には弱かったりと安定しないこと、腸の内圧が高くなっていること、そして内圧が高いときに痛みを感じやすくなっていること(腸管知覚異常)などが指摘されていますが、その原因はこれまで原因不明とされてきました。しかし最近になってある説が有力視されるようになっています。

これまでにも食中毒を起こした後に発症する感染後過敏性腸症候群(IBS-PI)が知られていましたが、実はIBSの中でも特に下痢型IBSと混合型IBSの多くが、「食中毒」をきっかけとした「自己免疫反応」によるものであるという説が有力視されるようになってきました。

ストレスは腸へ

脳と腸が密接に情報を交換し合っているため、腸や脳の機能異常を起こす物質を見つける研究も進んでいます。

ストレスを受けると、脳からストレス関連ホルモンが分泌されて消化管に働きかけ、腸の働きを乱し、下痢や便秘といった症状を引き起こします。
IBS患者さんは、痛みに対して敏感になっているため、ちょっとした刺激にも腸管が反応して、便通の異常やおなかの強い痛みといった症状を起こします。

IBSは不安症状や抗うつ症状などの精神疾患も伴うこともあることなどより、心理的要因もIBSの発症や増悪に関与していると考えられています。特に幼少時に心的なトラウマなど大きなストレスがかかったときに、腸脳相関を司る神経系に過敏なプログラムがインストールされ、成人してからもその影響を受けてしまうようなことも指摘されています。

 

大腸の運動異常が下痢や便秘を引き起こす!

大腸の最大のはたらきは、内容物の水分を吸収し、固形状の糞便を形成することです。糞便の固形物には、分解されにくい食物繊維などの植物残渣、細菌、はがれ落ちた粘膜細胞などが含まれています。

腸の動きは、自律神経に支配されています。便を体外に送り出すためのぜん動運動は、胃に食物が入ると指令(=胃・結腸反射)が出て始まります。そして、便が直腸に達すると大脳に指令が送られ、便意をもよおします。ストレスにさらされると、自律神経がうまくはたらかないため正常な腸のぜん動運動が起こらず、便が滞って便秘につながることがあります。

大腸の運動には、主にぜん動運動(伝播性収縮)と分節運動(局所性収縮)があります。大腸に送り込まれた内容物は、ぜん動運動と分節運動により、混和されながら肛門へ向かって徐々に移送されます。

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photo ©くすりと健康の情報局

ぜん動運動

縦走筋と輪状筋の収縮・強緩により、そのくびれが口側から肛門側へ向かって移動し、内容物を移送します。

分節運動

輪状筋がある間隔をおいて、収縮・強緩を繰り返し、内容物を混和します。

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photo ©MedicalTribune,Inc.
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photo ©MedicalTribune,Inc.

運動亢進性下痢

大腸のぜん動運動が亢進しているため、内容物の通過時間が短くなり、水分を十分に吸収できなくなることで起こる下痢です。過敏性腸症候群(IBS)の下痢は、主にこれに該当します。

痙攣性便秘

分節運動が強すぎるために大腸が痙攣を起こし、腸管が細くなって糞便の通過障害が起こる便秘です。糞便はコロコロして小さく、うさぎの糞のようになります。過敏性腸症候群(IBS)の便秘は、主にこれに該当します。

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次のページ:IBS4つの発症プロセスと治療法

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