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化学物質過敏症(CS)
2019年7月 9日
さまざまな種類の微量化学物質に反応することで体の不調を訴える
化学物質過敏症(Chemical Sensitivity ; CS)
をご存知ですか。
重症になると、
仕事や家事が出来ない、
学校へ行けない...など、
日常生活にも支障をきたすようになります。
化学物質過敏症は、
ごく少量の物質にでも過敏に反応する点では
アレルギー疾患に似ています。
しかしその病態の本質は
まだよくわかっていないのが現状です。
腸内環境の乱れも関与が疑われるものの
まだ確定的な証拠(エビデンス)はありません。
化学物質過敏症(CS)の主な症状として自律神経障害 冷え性、発汗異常 精神障害 不眠、不安、抑うつ状態 呼吸器障害 咽頭痛、口渇 消化器障害 下痢、便秘、悪心、嘔吐 眼科的障害 結膜刺激症状、調節障害 循環器障害 動悸 免疫障害 喘息、皮膚炎、自己免疫異常 などが考えられています。
先日あるCSを患う女性患者さんから
嬉しい報告をいただきました。
この方は約半年前から
当院へ通院されている方で、
初診の時は呼吸器症状や皮膚症状、
倦怠感などの不調を訴えられ
診察中もマスクが外せず、
厳しい食事制限や
ご自宅の環境改善の取り組みについて
お話をしてくださいました。
いくつか処方したサプリメントに対しても
なかなか体が受け付けず、
辛い日々を送っていらっしゃいました。
先日、この方が元気な顔を見せてくださいました。
診察室に入ると同時に「体調がいいんです。体重も5キロ増えました。」
とおっしゃいました。
そして立て続けに「何がよかったと思いますか?」
と私に質問をされました。
私は、「さて何でしょう?ご自身で何かをデトックスされたのでしょうか?」
とお答えしたところ
「いいえ。前回診察の時の先生の言葉が
ヒントになりました。
実は、先生に聞いてから毎日自分で作った「ボーンブロス」を飲んでいます」とおっしゃったのです。
確かに、ほぼ全ての患者さんに
腸内環境改善のためにボーンブロスを
提案させていただいていますが、
この方にも腸の大切さやボーンブロスについて
お話しさせていただいていました。
それ以降、お通じも良くなり、
みるみるCSの症状が軽くなっていったとのことです。
それまで食事をしてもなかなか増えなかった体重も
毎日こまめに摂取するボーンブロスで
徐々に増え始めたとのことでした。
あくまでも推論の域を出ませんが、
腸内環境の乱れとCSの重症度は
密接な相関があるようです。
腸内環境が改善し、
腸漏れ(リーキーガット)が修復されてくると
アレルゲンに対する免疫寛容が起こり
(つまりアレルギー反応が弱まる)、
少々の化学物質にも
過剰な反応をしなくなるのではないでしょうか。
体の外と中を隔てる「腸」ですが、
この腸のバリア機能が回復すると
CSだけでなく様々な不調が改善する可能性があります。
原因のわからない不調がある場合は
まず腸内環境を考えてみてはどうでしょうか。
腸内環境を乱す要因は様々ですが、
「ストレス」は最大の腸内環境を乱す要因であることも
ぜひ知っておいてください。
ですから腸内環境を整えるには
食事やサプリメントも大変重要なのですが
これらの効果を左右するのは
あなたが「喜び」に満たされて
充実した日々を送っているか否か
ということも心に留めておいてください。
ということで、
ぜひ「ご自身への水やり」も
忘れずしてあげてくださいね。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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