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私がいかにして健康を取り戻したのか 〜細胞の喜ぶ環境づくり〜
2018年8月20日
お盆休みが終わりましたが、皆さんはどこかお出かけになりましたか?
私たちはお盆は診察を行っていたので、来週20日(月)に休診をいただいています。(21日も火曜日で定休日ですのでお気をつけください)
(山中湖に向かう途中のアウトレットモールより)
今回は、私自身が今まで取り組んで来たことの中で、いくつか良いと思ったことを紹介しておきます。(ただしあくまでも私がいいと感じた方法ですので、この方法が万人に合うものではないことをご理解ください)
私自身、消化器の専門医でありながら幼少時よりお腹が弱く、様々なトラブルを抱えていました。一時は仕事を続けられるのかわからないほど体調を崩していた時もありました。
今もトラブルは皆無ではないのですが、随分と楽になりこうやって日々の診療をこなしながら、気になったことを発信して行くこともできるようになっています。
むしろお腹の症状が健康のバロメーターとして色々なことを教えてくれることにも気がついたので、感謝感謝。
体調の悪い時を知っている人からは、まるで別人かと思われるくらいに変化を起こし、今では「細胞レベルの健康を取り戻す」というキャッチフレーズの広告塔になるべく、健康的な生活を手にすることができています。
食事療法
食事療法もいろいろありますが、今までに糖質制限やヴィーガン、ZONEダイエット、低FODMAP療法、GFCF、まごわやさしい、ミネラルファスティング、間欠的ファスティング+ボーンブロスなどを試してみました。結局どれもいいところ悪いところあり、「絶対これが良かった」というものはなく、それぞれのいいとこ取り(飽くまでもわたしにとって都合のいいという意味で)をして実践しています。
具体的には基本が「まごわやさしい」だけど肉も時には食べます。ただし極力放牧牛にこだわっています。ボーンブロスは主に野生のシカ肉を使うことが多いですが、手羽も使ったりします。
コリン・キャンベル博士や松田麻美子先生と繋がり、しばらくヴィーガンを実践していました。ただヴィーガンは残渣が多くなりすぎて腸にハンデ(大腸がない!!)のある私には少ししんどいと感じました。体重もかなり落ちてしまい、私の小腸に存在する腸内細菌には少しきつかったようです。
糖質はできるだけ控えめにして、小麦はほとんど食べなくなりました。ただし食物繊維は意識してとるようにしています。
もともと牛乳は飲まなかったですが、バターやギーは使います。
ファスティングも何度かトライしましたが倦怠感強くいずれもギブアップでした。特に筋肉量の減少は倦怠感を増大させ、生活におけるパフォーマンスを低下させることを実感しました。
もともと筋肉量も脂肪量も少ない私の課題としては、いかに効率よくたんぱく質をとるか、あるいはタンパクのリサイクル効率を上げて、筋肉を落とさないようにするかが特に大切だとわかりました。
普段私たちが筋肉量の多い人やメタボ体質に指導している食事療法では、私の場合には上手くはいきませんでした。
最近ではMiso Dr. の関由佳先生に倣い、ボーンブロスにお味噌を合わせたりと以前にも増して味噌を使う機会が増えています。
分子栄養学
私は主に宮澤賢史先生や小池雅美先生から分子栄養学を学ぶ機会を得られ、自分や家族で色々と体験を重ねてみました。食事療法とは切っても切り離せませんが、特に我が家では子供達にはグルテンフリーをさせたり、サプリを飲ませては反応を観察するという日々が続きました(今も続いています)。
栄養学とはいえど、単純な栄養素の摂り方の学問ではなく、分子レベル、細胞レベルでの栄養素の働きを考慮しつつ、腸内環境や住環境、ライフスタイル、さらには心理的な特性なども考慮に入れながら、時には効率の道具であるサプリメントなども活用しながらアプローチをする、まさに全人的な方法ともいえます。
今現在主に摂っているサプリは、
Bコンプレックス、消化酵素、プロバイオティクスのほか、トレースミネラル、VD、VC、VE、水素カプセル、オメガ3などが基本で、時々チロシン、ナイアシン、CBDオイルなども。
以前に比べ、タンパク量が増え、亜鉛やフェリチンが増えたことでメンタルは確実に上がったと感じています。
食事療法と組み合わせることで、より効率的なサポートが可能です。
心理療法
「病は気から」などと使い古された諺は知っていても、かつての医学教育は心身二元論でしたから、私も当初はその考えを踏襲していました。しかし繰り返す自分の体の不調を見て、どうやら心理状態と体調は大いに関係ありそうだよねということになり、自ら心理療法を学ぶことに。初めは自分の患者さんに実践することなど毛頭考えておらず、まずは自分の救済のために踏み入れた世界。
若手医師向けの講演で河合隼雄先生の語っていた「Creative Illness:創造的な病」という言葉に感銘を受け、さらにサイモントン療法の創始者・カール・サイモントン博士に出会ったことで自らの診療の幅が広がり、深まることになります。
また「言葉で癒す外科医」と呼ばれたバーニー・シーゲル博士の本を読んでピンと来てすぐさまコンタクトを取り、米国コネチカット州の博士のご自宅までご招待いただき、いかに無意識の世界と病気とが関連しているかを熱くレクチャーいただいた経験も今に生きています。
またある時はミンデル夫妻のワールドワークに参加するため、米国オレゴン州の片田舎まで出向いて、世界の人たちと集合的無意識で繋がる感覚を体験。この体験は、目の前のクライアントは偶然私の目の前に現れたわけではなく、目に見えない文脈の中で自分自身が引き寄せていることに大いに気づかされます。ほんとクライアントにより自分自身の課題も浮き彫りになり成長させられることは日常茶飯事なのです。
これらの経験を通して、どんな治療をするにあたっても、希望を抱き、良いイメージを育むことの大切さを学び実践することになっています。
運動療法
昔からスポーツは得意な方で、特に俊敏性を競う競技は得意な方でした。しかし社会人になってからは運動の機会が減り、さらに体調を大きく崩してからは好きだったゴルフからも遠ざかり、ますます運動をしなくなります。
そうなると自己効力感も低くなり、仕事の効率も落ちてしまい、ますます自尊感情が下がる負のスパイラルにはまっていた時期です。
それをなんとか奮い立たせるためにもがいていたのは今となっては懐かしい思い出です。
その頃ちょうど一人目の子供が小さく、遊び盛りでしたから、週末になると出かけて一緒に遊ぶのですが、今になって振り返ると当時慢性疲労状態で、しんどい体に鞭打って遊んでいたように思います。おそらく今の方が心から楽しんで遊んでやれるように思いますが、子供はすでに大きくなってしまいましたね。。。。。
適度に体を動かす方が、自分の無意識と繋がりやすく、体のメッセージをキャッチしやすくなります。意識的に体を動かすことが、心身の健康には不可欠なことは皆さんの経験でもご存知でしょうし多くの論文が運動の有用性を証明しています。
数年前からは加圧トレーニングに週一回通っていました。細い体ながら筋肉がパンプアップされて行くことに快感を覚え、3年近く通っていました。とは言ってももともとなかなか筋肉のつきにくい体でしたから、少しトレーニング期間が空くとたちまち細い筋肉に逆戻りでした。
その後実家の医院で導入したパワープレートを使い週一回程度の運動は続けていましたが、昨年腸内フローラ移植を自ら受けてからは、同じ運動量でも筋肉のつき方に変化が現れてきました。
おそらくドナーのなかにアスリートのようにタンパク代謝や脂質代謝が優れており、筋肉のつきやすくしてくれる腸内細菌を持っていた人がいたのでしょう。(ドナー情報は基本非公開)
ちなみにこれが私のInBodyの測定結果の推移です。(最初の移植が2017年9月)今は週一回のみですが、パーソナルトレーナーについていただき、筋トレやタバタ式トレーニング(High Intensive Interval Training:HIIT) を行なっています。
腸内フローラ移植(便移植)
今までにも何度かここでも書いてきましたが、私たちの研究会で扱う移植菌液にはその生成過程で特殊な水(特許申請中)を利用しており、これを使用することで従来の方法に比べ、より高い成績が得られると考えています。
私自身も腸のトラブルに対して某大学病院で便移植を経験しましたが、効果は認められず、他に有用な歩法がないか模索していた時に、特殊菌液を使った腸内フローラ移植と出会うことになります。(そしてその後研究会を発足します。)
私の場合は腸のハンデが特殊な内容であることもあり、特殊な菌液を使った腸内フローラ移植(UB-FMT)による便通は改善はしたもののはまだ完全とは言えません。しかしUB-FMTによりメンタルの強化や体型の変化(筋肉がつきやすくなった)などが認められており、もう少し追加の移植を検討しています。
これらを体験する過程で、ずっと変わらず根底に流れていた考え方は一つでした。
それは
「細胞の喜ぶ環境づくり」
を意識することでした。
私は、現代医療の基本的なスタンスは「病気の嫌う環境づくり」だと考えています。
この考えでもある程度のところまでは行けると思いますし、この方法論が絶対的に必要なシチュエーションは多くあります。
しかし私のように慢性的な不調を持っていた場合、この方法論だけではうまくいかないと直感的に感じていました。
病気には必ず私たちに伝えたいメッセージがあると考えるならば、その病気を忌み嫌うのではなく、そのメッセージの意味を考えて行くことが、結果として健康につながる。病気は自分自身の一部の細胞が混乱しているがゆえに作り出したものであるので、それらを排除するのではなく、その混乱している理由を一緒に考え、本来の「細胞が喜ぶ環境づくり」ができれば、自ずと混乱が解消され、不必要となった細胞はアポトーシスというプロセスを経て自然に排出されて行くと考えています。
(この辺りのことは、ブルース・リプトン博士の「思考のすごい力」から多くを学びました。)そのほかにも水素点滴やキュブラーロスのワークショップなど色々と経験したことはありますが今回はこの辺で。
また機会があれば紹介していきますね。
(※これらは私自身の体験であり、必ずしも来院された方に勧める治療法ではありません。)
気になる症状があればまずご相談ください。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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