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腸内フローラと慢性腎臓病(CKD)
2018年2月16日
腸内フローラの話題が続きます。
慢性腎臓病(CKD)の人の腸内フローラバランスは明らかに乱れがあり、Lactobacillus, Prevotella, Bifidobacteriaなどのいわゆる"善玉菌"の割合が減っているという報告があります。
CKDでは、腸内フローラのバランスだけでなく、腸管壁自体にも変化があり、Leaky gut(腸管透過性亢進)も伴うため、腸内の細菌が容易に全身循環へ乗って全身に運ばれてしまいます。
近年ではCKDのみならず、全身の慢性炎症とLeaky gutの関連が指摘されていますが、腸管のバリア機能が破綻すると血中エンドトキシン(毒素)濃度の上昇も認めます。
またCKDでは便秘を伴う例が多く、腸管由来の尿毒素の産生を促進してしまう要因となるため、腸内フローラを健全化し便秘を解消させることも腎保護の観点で重要です。
当院の連携施設で慢性腎不全例に腸内フローラ移植を行った例では、腎機能悪化を食い止め、透析を回避できた例もありますので、進行する慢性腎臓病には腸内環境改善の一つの方法として腸内フローラ移植(FMT)も今後注目されてくることでしょう。
(日本内科学会雑誌106巻5号 p919)
昨年の内科学会雑誌にも腸のdysbiosisと腎臓病の関連についての論文が掲載されていますが、中でも特記すべきは、内科学会誌にも"Leaky gut"という言葉が扱われるようになってきたことで、今まで学術的な言葉ではないとして学会等では使われてこなかったのでこれは大変画期的なことなのです。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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