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腸内フローラ移植を行う前の栄養療法
2018年1月15日
当院でも腸内フローラ移植を始めて3ヶ月が経ちますが、色々なケースを経験して感じたことの一つに
「移植前に行う栄養療法の重要性」
ということがあります。腸内フローラ移植という治療はまだ標準治療ではないし、人のう◯ちを体に入れるなんてとっても耐えられない!って人も多いので、それまでにできることはないのか?ということで当院では分子栄養学的なアプローチによる栄養療法を行なっています。
もちろんそれで良くなる人はいいのですが、色々やったけどなかなか良くならないから腸内フローラ移植にたどり着く方が多いわけです。
移植希望でも時間的な余裕のある人にはまず、栄養療法を受けていただいて(具体的には腸の粘膜修復するために必要な栄養素を食事+サプリメントで摂取していただく)そのあとにフローラ移植を行っています。
でも中には症状が深刻で、栄養療法やサプリメントを含む色々な治療を散々やってきたが一向に良くならないのですぐに移植を希望される方もいらっしゃいます。
こういった方でも可能な限り短い時間でも移植までに栄養療法を行い、移植後にもできるだけ腸の粘膜修復に必要な栄養素を中心に摂取を心がけていただきます。
移植が行われて腸内に新しい細菌が入ってた時に、腸内の免疫細胞と細菌の間で免疫応答が起こりますが、この時に粘膜上皮細胞や免疫細胞が本来の仕事をするために必要な栄養素があればすぐさまに良い仕事をしてくれるわけです。
特にエネルギー産生工場であるミトコンドリアがちゃんと働くために必要な栄養素があまりにも少なくてエネルギー不足になっていると、なかなか細胞はいい仕事をしてくれません。でもある程度栄養素が満たされていると、新しい腸内細菌と出会った瞬間にいいスタートが切れると考えています。
しかし、粘膜を修復するための材料となる栄養素が不足している場合、新しい細菌がいくら良い免疫応答を起こそうとしても、細胞が本来の仕事ができないわけですから仕事の効率が落ちてしまいます。
まだ経験した数は決して多くはないのでエビデンスとは言えないのですが、実際に経験したところでは、あらかじめ栄養療法を始めていた方は初回の移植から好ましい反応を起こしているような印象です。
これから症例を重ねて確認して行きたいと思いますが、腸粘膜にとって過酷な食事をしてきた人にはやはり、食生活を見直し、環境を見直し、考え方のくせにも気づいていただき、腸のケアをあらかじめ行なっていただきたいと考えています。
腸内フローラ移植のことでご相談があればお気軽にご連絡ください。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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