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腸内フローラ移植の生着率について

2017年12月 4日

当院で始まった「腸内フローラ移植」。

そのフローラの生着率は90%以上とされていますが、
①「その根拠は?」
というご質問をいただきました。

またそれだけ生着率が高ければ
②「一回だけの移植で十分じゃないの?」
というご質問についても合わせて書いてみますね。

まずは①移植の際は、移植前と移植後にフローラの検査を行います。
(様々な細菌の遺伝子を網羅的に調べます)

基本的に新たに移植するフローラのバランスは移植前の検査で判明しているフローラバランスとは異なるものを使います。

よって移植後のフローラがドナーのフローラバランスと同じ場合には「生着した」と判断できます。

この生着したと判断されるものが
今まで経験上90%とされています。

実際にこの治療法で良くなられた方が多くいらっしゃいますから私自身これは信頼できる方法と考えていますが、さらに多くの医療者に理解していただくには「学術的に」この治療法の優位性を「論文」により示さなければ説得力がないと判断されてしまいます。

今後私たちの「腸内フローラ移植臨床研究会」では会員を中心としてこの治療法が、医学的な見地からどの程度優位性があるのか(あるいはないのか)を研究していきます。

その中で、生着率をさらに詳しく評価していく予定です。


②「一回だけの移植で十分じゃないの?」

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https://shinbiosis.com/fmt/engraftment/

に詳しく書いてありますが、特に比較的若い方の自己免疫疾患などでは中には新しいフローラと古いフローラの間での小競り合いが起こり、1回で生着しないケースがあります。

その場合も数回移植を繰り返すことでほとんどのケースで生着しますがその都度、菌液の濃度を調整しています。

多くの場合は、徐々に菌液濃度を上げていきますが、濃度や回数には個人差があります。

今後研究会としては、この移植回数を減らすにはどうすれば良いかやまた、生着したフローラを長期間維持するためにはどうすれば良いのかなど様々な側面で効果的な移植方法を研究していく予定です。


腸内フローラ移植に関心をお持ちの方はお気軽にご相談くださいね。


腸内フローラのセミナーを行います。
勉強会終了後に参加者の方対象に個別相談会を行います。
(時間の関係上お一人様5分程度までとさせていただきます)
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