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腸内フローラ移植の可能性について
2017年9月12日
最近注目を浴びている「腸内フローラ」
私たちの腸の中には私たちの体を構成する細胞の数(60兆)以上の数の細菌が住み着いています。
その種類は3万種類以上、個体数にして1000兆以上とも言われています。
この腸内細菌のバランスが私たちの健康に大きく影響していることがわかってきました。
昨年NHKの番組でも腸内フローラの最新情報について放送したことから一般の方も注目するようになりましたよね。
腸内環境を整えることで様々な疾患が軽快することが確認されています。
食事やサプリメントである程度腸内環境を整えることは可能です。
しかし、腸内細菌のバランスがあまりにも悪く、いわゆる悪玉細菌が多かったり、日和見菌と呼ばれる善玉にも悪玉にもなる菌が悪玉細菌の影響で異常増殖をしたりしていると食事を変えるだけではなかなか改善せず、治療に難渋するケースがあります。
そこで今私が注目しているのが「腸内フローラ移植」です。
学術的には「糞便細菌叢移植(FMT)」と言います。
これは健康な人の便の中の細菌を病気の人の腸内に入れることで腸内細菌のバランスが変わり病気の経過に変化が起こるというものです。海外では20年以上前から行われ、ある程度成果を収めておりわが国でも数年前から主に大学病院レベルで臨床試験が行われております。
大学の臨床試験では糞便のドナーを「二親等までの家族」としているため、移植を受ける人と近い腸内環境の人のフローラを移植することとなります。
この問題もあってか、今のところ「偽膜性腸炎」以外は芳しい成績は出ていませんでした。
しかしこの度、35年以上前から腸内細菌一筋に研究を続けてこられて清水真さんとご縁をいただき、腸内フローラ移植の可能性についてお話を聞くことができました。
健康な人からいただいた移植する便を長年培った技術で個別で選別する事で、実際に多くの症例で高い確率で、病気の軽快や寛解の症例があり非常に希望の持てる治療法のひとつである事がわかりました。
さらに内視鏡を使わない患者さんには負担の少ない方法ということも評価できるところでしょう。
当院にもなかなか腸内環境改善が難しい方もいらっしゃいますが、そんな方にもきっと希望のもてる選択肢の一つだと思います。
早速当院でも多くの難病などで困っていらっしゃる方のために腸内フローラ移植が出来るよう準備をはじめました。
ご関心のおありの方はまずは当院までお問い合わせくださいね。
また清水真さんの著書にわかりやすく解説されていますので是非一度読んでみてくださいね。「ウンチのくそヂカラ」 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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