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やはり腸内環境が要
2024年12月 2日
これまで内科でも消化器畑を歩んできたので、「美容」とはあまりご縁がなかったのですが、今日の第1回日本美容内科学会総会に参加して、「健康」も「美」もいずれも腸内環境が要であることを改めて認識しました。
どの演題も興味深い内容ばかりでしたが、ざっくりまとめると
美容内科的に重要なのは、- 栄養
- 睡眠
- 迷走神経(自律神経)
- 腸内環境
- 口腔内環境
です。
<睡眠とオレキシン>
招待講演の演者で睡眠研究の権威でいらっしゃる柳沢正史先生のご講演では、世界的に見ても日本人の睡眠時間の短さは異常であり、基本的に昼間に「眠気」を感じるケースは全て「睡眠不足」とのことです。
また日本の住宅の照明は明るすぎるため、脳内の覚醒物質とされる「オレキシン」を活性化させてしまい睡眠不足の原因の一つで、スマホのブルーライトよりもその影響は大きいのではないかとされています。
睡眠の質と睡眠時間を改善させることで、メンタル、メタボ、認知機能、がんリスク、免疫、皮膚の老化、これら全てを改善させることが可能です。<自律神経と腸内環境、そして愛情ホルモン「オキシトシン」>
今日の特別講演の演者で自律神経研究の権威でいらっしゃる小林弘幸先生は、私たちが健康でいて高いパフォーマンスを出すには、「自律神経」と「腸内環境」が軸となるとおっしゃいます。
また、腸脳相関の観点からは、わたしたちが普段からより良い心身の状態を維持するかは愛情ホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」の果たす役割が多く、それには腸内環境が重要であるとのことです。その腸内環境も深く関係しているオキシトシンですが、愛する人とハグをすることで有意に血中濃度が上がります。
そしてチンパンジーの研究によると、オキシトシンの分泌に関しては「何を食べるか」よりも「誰とどんなふうに食べるか」の方が影響するということが示唆されています。この研究から推察するに、いわゆる「健康にいい」とされる食事を食べる時よりも「気の合う人」と「楽しく」「美味しく」食べる時の方が腸内細菌には良い影響を与えてオキシトシン分泌もアップすることのようです。
また小林先生は、オキシトシン分泌にも影響を与える腸内細菌を整えるには、口腔内環境を同時に整えることが重要であるとも述べられています。<発足したての美容内科学会に参加してみて>
真の「美」を追求するには、内側からの美しさを追求することが必要で、「内科的」「予防的」な観点が必要であることを改めて認識しました。
また、それには自律神経、腸内環境、腸内細菌のことを語らずには通れませんし、これらを整えるには睡眠の質や、口腔内環境、私たちの住環境、食材を育む土壌のことなど俯瞰した視座が必要のようです。
このように私たちが取り組んできたこと(点)がどんどん線で繋がって行くことで、これまでより一層質の高い医療で多くの方をサポートできる体制を充実させていきたいと思います。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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