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あなたの腸(ガット)は、漏れて(リーキー)いませんか?
2024年6月14日
リーキーガット(腸もれ)とは?
私たちの腸には、日々さまざまな異物がたくさん入ってきますが、通常は表面に形成されたバリアが異物の侵入を防いでくれています。腸管上皮の細胞間にはタイトジャンクションと呼ばれるゲートがあり、適切に消化された栄養分だけを血流に通し、残りを通さないようにコントロールしています。しかし、腸内環境が悪化し、タイトジャンクションが開くと、未消化の食物、毒素、寄生虫など、炎症性の異物が侵入するようになります。この状態がリーキーガット(腸もれ)です。
どんな人がリーキーガットになるの?
腸管上皮バリアは完全なものではないため、私たちは皆、多少なりともリーキーガットを持っていると言われています。最近の研究では、腸内細菌の変化と炎症が一般的な慢性疾患の発症に関与している可能性があることも示されています。遺伝的な要因があって消化器系の変化に敏感な人もいるかもしれませんが、砂糖や飽和脂肪の多い現代的な食生活、過度の飲酒やストレスも悪化の大きな要因と言われています。
こんな症状、リーキーガットが原因かも?
- 不安、うつ
- 疲労・不眠
- 腹部膨満感・腹痛
- 関節痛
- 体重が減らない
- 便秘・下痢
- ED・性欲減退
- 甘いものが無性に食べたい
ゾヌリンがタイトジャンクションを開かせる
炎症が起きるとゾヌリンというタンパク質が産生され、タイトジャンクションを構成するオクルディンなどを開かせて孔(あな)を生じます。その後ゾヌリンとオクルディンもその孔(あな)を通り抜け、IgG・IgA抗体が産生されます。さらにカンジダ(カビの一種)のタンパク質も孔を通り抜け、同様にIgG・IgA抗体が産生されます。
タイトジャンクションはのうや他の臓器にも存在
タイトジャンクションが存在するのは腸だけではありません。血液脳関門にも存在し、”リーキー”な状態になると、思考力や記憶力にも影響を及ぼします。また、タイトジャンクションは、肺、腎臓、眼球にも存在します。タイトジャンクションを適切な状態に保つことはとても重要といえます。
リーキーガットを改善するには?
まずは食習慣や生活習慣を見直し、腸内細菌を整えることが重要です。必要に応じてサプリメントなども使いながら腸管バリアを修復し、炎症をなくしていくことで腸内環境を改善させて腸管バリアの機能を回復させることは可能です。
<腸管バリア機能検査>
そのためにもまずは腸管バリアがどの程度傷害されているかを知ることが重要です。「腸管バリア機能検査」の二つの特徴
IgG抗体(サブクラス1〜4)と炎症マーカーのCd3をデュアルで測定。さらにIgA抗体(サブクラス1〜2)も測定します。
4つのゲートキーパーマーカー(カンジダ、ゾヌリン、オクルディン、LPS)を採用し、さまざまな領域で発生するリーキーガットに対応しています。腸内環境検査(総合便検査/腸内フローラ検査)
総合便検査では、腸内の細菌やカンジタ、炎症、消化酵素、免疫、エネルギー状態を調べ、リーキーガット症候群の根本原因を特定します。また、オプションで腸内フローラのDNA解析も可能です。分子栄養学に基づいた栄養療法"メディカルサプリメント"
バイオロジカル検査の結果に基づき、あなたに最適なサプリメントを提案いたします。腸脳相関外来
腸脳相関外来では、これまでの腸内環境を整えるアプローチだけでなく、脳の機能を上げたり、ストレス耐性(レジリエンス)を高めたりして「脳内環境」を整えるアプローチを併せて行います。さらに脳と腸をつなぎ、多くの情報が行き来する大幹線道路でもある「迷走神経」を整えることも目指します。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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