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腸脳相関と脳活
2023年2月 4日
腸内フローラ検査の結果を見ていると、ある特定の菌のバランスを見ることで、ある程度その人の自律神経の働きを推測することができる。
そういう視点で検査を見ていると、非常に交感神経優位な状態が続いているであろうと考えられる人が少なくない。
腸内環境の改善を目指してご自身でも色々取組んでいるのに、なかなか症状の改善に繋がらない人の中には、この交感神経優位とさせてしまう腸内細菌のバランスになっており、それがネックとなって全体のバランスが良くならないのではないかと思えるケースが多々ある。もちろん腸脳相関は腸と脳の相互作用であるから、このことを加味すると、腸内細菌のバランスが原因で交感神経優位な行動パターンになっているケースもあれば、普段の考え方や生き方が交感神経優位であることが原因で、腸内細菌のバランスがそのようになってしまうケースもある。
ここでいう交感神経優位とはどういう状態のことか。
大脳皮質を発展させた人間だからこその性でもあるのだが、頭で考え、判断し、これから訪れるであろう危険を極力回避し、効率的に「頑張って」解決しようとするとき、交感神経はフル活動する。このとき腸内細菌叢の多様性は低下し、アドレナリン感受性の高い細菌は病原性を高めることがわかっている。
逆に体が心地よい、なんとかなる、委ねて大丈夫、今の自分でOK、すべてはうまく行っているというような根源的安心・安全な感覚を自分の中に構築できている人は、程よい交感神経の活動と、副交感神経が絶妙なバランスで働いてくれるため、腸内細菌叢の多様性も維持しやすくなる。
このように腸内細菌叢のバランスを整えるには、腸内細菌にとって望ましい食事をするなどのいわゆる「腸活」に取り組むことも大事だが、腸脳相関の観点からも「脳活」と並行して行うことが効果的であると考えられる。
Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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