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症例:IBS+SIBO(30代女性)
2022年12月28日
<受診まで>
幼少期より下痢や便秘を繰り返すことが多かった。
特にストレスが多いと症状は顕著であった。
大学時代は比較的症状は安定していたが、就職を機にひとり暮らしが始まり、生活が不規則になった。そのころより腹部症状もひどくなった。
このころから腹部の膨満感やガスに悩まされるようになり、職場では周囲の目が気になりますます症状が悪化してきた。
近医受診して内視鏡検査や腹部エコー検査を受けても異常なく、過敏性腸症候群(IBS)と診断された。整腸剤や下剤を処方されたが改善なく、不安感も強くなり心療内科を紹介される。
心療内科では軽い抗不安薬を処方され内服したが、眠くなるだけで腹部症状は改善なし。
インターネットで自分の症状に関して調べていると、「SIBO」という言葉に行き着き、これに関する本を読んだところ、自分の症状に酷似していると思い主治医に相談した。
しかし主治医はSIBOに関してはあまり詳しくなさそうで、もう少し情報が欲しいとのことで当院受診となった。<受診後の検査>
尿中有機酸検査ではカンジダを含む真菌の増殖が疑われた。
またSIBO呼気検査では水素優位のガス増加が認められ、水素型のSIBOが疑われた。
血液検査では、ビタミン、ミネラル不足の他、タンパク質不足、機能性低血糖、を認めた。
自律神経の検査では交感神経が優位。<まず取り組んでいただいたこと>
- 食事:それまで朝はパン食で、間食にもお菓子など精製された糖質+トランス脂肪酸の多い傾向があった。
→できるだけ小麦や乳製品を控えていただき、「緩い」低FODMAP食を指導。
可能な限りお出汁をしっかりとったスープを推奨。
低血糖対策で血糖スパイクを起こさないような補食を指導。 - サプリメント:マルチミネラルビタミン、消化酵素、グルタミン、VDなど
- 呼吸法:逆腹式呼吸をしっかり行うよう指導
- 体が喜ぶことリストの作成のほか養生についての資料を読んでいただく
<経過>
- 食事療法、呼吸法などに取り組むことで2−3週間で腹部症状は半減。しかし、不安感はまだあり臨床心理士による心理カウンセリングを開始。
- SIBOと真菌増殖に対して抗菌作用のあるハーブサプリメントを摂取することで、徐々に腹部症状が軽減。初診時の3割くらいの辛さにまで改善。腹部症状改善に伴い不安感も軽減してきた。
- ハーブサプリメント終了後より食事療法は、徐々に根菜類など腸内細菌の多様性を増やすための食事を推奨
- 初診から約半年で、まだ腹部症状はあるものの、仕事や日常生活に支障をきたすことはほとんどなくなってきた。
- 食事は小麦と乳製品は控えめにするようにしているが、付き合いで外食するときなどには摂取している。習慣的には摂らないように心がけている。
- 食事:それまで朝はパン食で、間食にもお菓子など精製された糖質+トランス脂肪酸の多い傾向があった。
Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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