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実験寺院・寳幢寺の対話会
2022年11月21日
昨日は京都の先制臨床医学会に顔出ししたあと、松波龍源(ホウドウジ RYUGEN 龍源)先生が僧院長を務めていらっしゃる実験寺院・寳幢寺( https://www.samgha.org/ )の対話会にMUSVI(株)の阪井 祐介さんと参加しました。
龍源先生のところへは普段から学生や企業のトップたちが集い、問答を通して仏教を知ってもらい、本当の意味で人々の役に立つ仏教の社会実装を目指して活動されています。世襲が多い仏教界では珍しく、世襲に依らない異色の経歴をお持ちの龍源先生のお寺は、元西陣織工場を改装した場所で全て寄付のみで運営されています。
昨日は私と阪井さんの他にスタートアップ企業の若手経営者の方々が龍源先生の言葉を求めて集まり、まさに武道(太祖神拳)や修験を通して培われてこられた身体知と、ミャンマーやチベットの高僧に師事され培われた深淵な仏教哲学から生まれる言葉の数々を龍源先生から頂戴しました。
そして参加者との対話の中で繰り返し出てきたテーマは、資本主義と共感性との共存。仏教では決して財をなすことを否定はしていませんが、それを己の欲を満たすために使うのではなく、分け与えることで徳を積むこと説いています。
しかし現代の日本社会に住む多くの人の阿頼耶識(無意識)には、「財を奪われてしまうのではないか」、あるいは「自分の思いとはかけ離れた使い方をされるのではないか」というような不安や恐怖が根深く存在し、在家の人はもちろん、出家した人でもなかなか仏教が説くようには行動できない人がほとんどとされています。
また医療に目をやると、要素還元主義を拠り所とする現代医療の発展は目まぐるしく、救える命が増えたことは事実ですが、果たしてその医療は目の前のクライアントの不安を本当の意味で解消してきたのでしょうか。これまでの医療がやり残してきた仕事の一端が仏教の教えのなかにあり、二元論を超えた新たな医療の形をおぼろげながら垣間見た気がいたしました。
時間を忘れて語り合った龍源先生との対話の中で多くの気づきと学びを得たように思います。これからの私たちの働き方や生き方に少ならからず影響を与えるであろう貴重な体験でした。
Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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