- ルークス芦屋クリニック
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開院4周年
2020年12月 6日
今日はクリニックが開院してちょうど4周年でした。
そして、開院直後より通ってくださっている
思い出深い女性患者のMさんから
お祝いにと素敵なお花をいただき、
Mさんの初診の時を思い出していました。Mさんは開院直後にお母さんと
訪問看護のナースと一緒に来院されました。
幼少時から消化管の難病を患い、
この30年余りの間に何度も
腹部の手術を経験されたMさんの鼻には、
栄養剤を注入するチューブが
留置されていました。腹部には人工肛門が増設されており
その周辺には何度も受けた手術の跡が
痛々しく残っています。皮膚には難治性の潰瘍が複数箇所あり、
ガーゼをめくると深い潰瘍が口を開けており
滲出液も多く頻回にガーゼの交換をしないといけないらしく、
毎日皮膚科で消毒を受けているとのことでした。
こんなMさんが、当院の受診を境に
みるみるうちに良くなっていたのは
決して特別な治療を受けたわけではなく、
ご本人が、
「病気をやめよう」
と決意したからです。
それからと言うもの、
まずはあれだけ難治性だった皮膚の潰瘍が
あれよあれよと言う間に跡形もなくなり、
それまで栄養剤を鼻から注入しないと
栄養不良に堕ちっていた状態から
食べられるものも増え、
鼻のチューブを抜ける日がやってきたのです。それまでは、仕事に就くこともできず
家で引きこもりがちだったMさんですが、
体調の回復とともに
複数箇所のアルバイトを始め、
今では職場からも信頼されるようになり、
晴れて正社員として毎日忙しい日々を
過ごしていらっしゃいます。これだけ大きな変化を起こされるとは
正直私たちも驚きでしたが、改めて、
「決意する」
ことの大切さを
Mさんは私たちに教えてくださいました。私たちすべての中に
「自己治癒力」が備わっています。
どんな難病を患っていようが
「自己治癒力」は備わっています。
それは何億年も前から
私たちの先祖に宿る
「命のメカニズム」
といってもいいかもしれません。
その自己治癒力が本来の仕事を始めると
体は私たちの想像を超えた力を発揮してくれます。それにはまず、その自己治癒力を信頼すること。
そして、病気に囚われることなく、
あたかももう治ったかのように
一歩を踏み出してみること。
行動してみること。
そんなことが大切だと言うことを
Mさんは繰り返し私たち教えて下さいました。今ではMさんは数ヶ月に1度
仕事の合間を縫ってクリニックに
顔を出してくださいますが、
会うたびに新しい目標を掲げて
どんどん変化しているMさんを見ていると、
私たちスタッフの方がいつも
大きなエネルギーをいただいています。いつも思うのは、
私たち医療者が病気を治すのではなく、
患者さんが自身の力で治って行かれると言うことですが、
そのプロセスに少しでも関わらせていただくことは
本当に医療者冥利につきます。毎年この時期になると
Mさんの奇跡(軌跡)を思い出さずにはいられません。
そんな4周年の1日でした。
今後ともよろしくお願いいたします。
(Mさんから掲載の許可をいただいています)
(2枚目の写真ははスタッフからのお祝いの花を前に家内と) Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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