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SIBOにおいて異常増殖を認める細菌について

2020年4月 1日

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SIBO診断におけるゴールドスタンダードは内視鏡による小腸液の吸引培養検査です。2012年のPimentelらの研究によると、SIBOでは下記のような細菌(真菌)が異常増殖をしていることが認められました。しかしこの検査は侵襲を伴う検査であるため広くは行われておらず、それに代用するものとして呼気検査によるガスの増加を確認してSIBOの診断に使うことが多くなっています。

  • グラム陽性菌
    Enterococcus spp
    (他の研究ではStreptococcus や Staphylococcus)
  • グラム陰性菌
    Proteus mirabilis E. coli Klebsiella Pneumoniae
  • Metanobrevibacter smithii(メタン産生菌)
  • SIFO(小腸内真菌異常増殖)の合併はSIBOの患者の24%に認められる
    カンジダやその他の真菌

特に水素ガスが増加する場合は下痢との関連が示唆されてるのに対して、メタンガスの増加する場合は便秘との関連が示唆されており、病態によって増加している細菌の種類の違いがあることが伺えます(図)。
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一般的にSIBO呼気検査で水素ガス優位な場合に比べてメタンガスが優位なケースの方が、治療に難渋しやすく、複数の抗菌薬を使う必要や除菌療法も複数回必要なことが多いとされています。

欧米(特に米国)ではIBS/SIBOに対してSIBO呼気検査で増えているガスの種類を確認して、抗生剤の種類を決定し、主にリファキシミンなどを用いて治療を開始することが多くなっています。

しかし薬剤耐性や腸内細菌の多様性への影響を考えた場合、抗菌作用のあるハーブなどを活用することが、これらの問題を解決する選択肢となりえます。

当院でもできるだけ、腸内細菌の多様性を崩すことのないように配慮しながら、ハーブを活用した治療を行なっています。

さらに一度除菌しても再燃を起こすことのないようにするには、ライフスタイルの見直しは避けては通れません。食事や考え方などにもフォーカスを当てることが合わせて重要であることは意外と知られていません。当院ではこれらの取り組みにもフォーカスを当ててサポートを行なっています。
1)Pimentel et al. The Prevalence of Overgrowth by Aerobic Bacteria in the Small Intestine by Small Bowel Culture : Relationship with Irritable Bowel Syndrome Digestive Diseases and Science 57, 1321-1329(2012)
2)Pimentel et al. Methane production during lactulose breath test is associated with gastrointestinal disease presentation. Digestive Diseases and Science 48, 86-92(2003)

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