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SIBOに合併しやすい「ヒスタミン不耐症」

2020年3月16日

腸内環境を改善させるためにボーンブロスや発酵食品はとても良いとされています。豆類やほうれん草も栄養価の高い食材とされています。肉や魚の燻製は質の高いタンパク源となります。これらの食材はいずれも誰にとっても健康にとって良いものとされていますが、、、本当にそうなんでしょうか?

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実際に、あまり馴染みがないかもしれませんが「ヒスタミン不耐症」と呼ばれる状態の一部の人にとっては、一般に「健康に良い」とされる食事も、必ずしも健康に良いものとは言えません。
 
ヒスタミン不耐症では、ボーンブロスも発酵食品も、豆類もほうれん草も、そして燻製にした食材でも体調を悪くしてしまうことがあるのです。そしてこのヒスタミン不耐症こそ、炎症や慢性的な症状の原因となっていることがあるのです。

《ヒスタミン不耐症とは?》

ヒスタミンはアレルギー反応に伴い体内で産生される化学物質です。特にアレルゲンに対する炎症・免疫応答において肥満細胞(Mast Cell)と呼ばれる白血球の一種が産生されます。これは健全な免疫応答の一種ですが、多くの食材にはもともとヒスタミンが含まれており、これが体内でのヒスタミン放出を刺激することになります。

しかし、問題はヒスタミンを分解する酵素(N-メチルトランスフェラーゼ(HMNT)とジアミンオキシダーゼ(DAO))が不足していたり機能障害を起こしている場合なのです。これらの酵素なしでは効果的に過剰なヒスタミンを分解することができず、過剰なヒスタミンが放出されることになり、これが多くの問題を引き起こすことになります。これが「ヒスタミン不耐症」です。

《ヒスタミン不耐症の症状とは?》

ヒスタミン不耐症は基本的にはアレルゲンのないアレルギー反応で「仮性アレルギー」とも呼ばれます。典型的なヒスタミン不耐症の症状は、本来のアレルギー反応に類似していて、皮疹や呼吸困難、鼻水などもありますが、さらに次のような症状を見ることもあります。

不安、ブレインフォグ、消化管のトラブル、ニキビ、疲労、ホルモン異常、易刺激性、低血圧、性欲低下、偏頭痛、嘔気、頻脈

もし高ヒスタミン食を摂取した後に、これらの典型的な症状があればそれはヒスタミン不耐症かもしれません。

《ヒスタミン不耐症で避けるべきもの》

高ヒスタミン食 アルコール、ボーンブロス、缶詰、チーズ、チョコレート、ナス、発酵食品、豆類、きのこ類、ナッツ、加工食品、燻製肉、貝類、ほうれん草、酢

ヒスタミンを放出する食事 アボカド、バナナ、柑橘類、イチゴ、トマト

※上記の食材は、ヒスタミンは少ないもののヒスタミン放出の引き金となり、ヒスタミン不耐症の場合は問題となりえます

DAOを阻害するもの アルコール、エナジードリンク、お茶(紅茶、緑茶)

《ヒスタミン不耐症があればすべきこと》

1.確認しておくこと

機能性医学を実践しているクリニックでは、ヒスタミン/DAO比を測定することができます。この結果によってはあなたがヒスタミンが豊富な食事を摂りすぎているかや、ヒスタミンを分解する酵素を十分持っているかどうかがわかります。(現在当院ではこの検査は扱っていません)

2.根本原因を探る

どうしてヒスタミン不耐症が発症したのかを考えた時、機能性医学では炎症を引き起こす下記のような原因を考えます。

リーキーガット症候群(腸漏れ)、小腸内細菌異常増殖症(SIBO)、グルテン不耐症、栄養欠乏、薬剤性(NSAIDs、などの痛み止め)、メチル化不良、肥満細胞症(肥満細胞増殖症)

上記の中でも特に腸内環境の問題がヒスタミン不耐症を悪化させることが知られており、SIBOを治療することでヒスタミン不耐症が改善するケースが知られています。

3.問題となる食事を除去する

あなたが炎症を起こしやすい食事を除去した除去食が標準的な治療となります。

4.新鮮な食材を摂取する

冷蔵保存されず増えた細菌が、ヒスタミンを増加させます。新鮮な食材を摂取するか、残り物は一食ずつ小分けにして、すぐに冷凍しましょう。

「低ヒスタミン食」
ココナッツミルク、卵の黄身、新鮮な魚、新鮮な有機肉、新鮮な野菜(なす、トマト、ほうれん草以外)、グルテンフリーの穀物(米、とうもろこし)、ハーブティー、柑橘類以外の果物、ライスミルク

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5.腸を修復するために

腸内細菌叢の乱れはヒスタミンを放出しやすく、症状が出やすくなります。リーキーガットやSIBO、カンジダの異常増殖などがあるとヒスタミン不耐症を増悪させることになります。
プロバイオティクスが症状軽減に有効とされています。(しかし、SIBOなど細菌の異常増殖がある場合は一部のプロバイオティクスは避けたほうがいいでしょう)

6.過剰なヒスタミンを除去するのに役立つ栄養素を摂取する

ビタミンB6、ビタミンC、銅などを含む食材を増やしましょう。

ビタミンB6 鶏肉、七面鳥、ジャガイモ
ビタミンC 果物、野菜(高ヒスタミン食は避ける)
アスパラガス、レバー

ブラッククミンやケルセチンは天然の抗ヒスタミン剤として知られています。
(参考文献:Dr. Will Cole, The Future of Natural Healthcare. July 7, 2016.)

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(Photo by Jannis Brandt on Unsplash)
(Photo by Dominik Martin on Unsplash)
(Photo by Tijana Drndarski on Unsplash)

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