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腸内細菌と私たちの健康―脳機能編―
2020年3月15日
腸内細菌は腸管神経系と中枢神経系とを結ぶgut-brain axis(腸・脳相関)と呼ばれるネットワークを介して脳に影響を及ぼしています。(最近では特に腸内細菌の働きの大きさに着目してmicrobita-gut-brain axisとも呼ばれます)
腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)は、自閉症、ADHD、神経変性疾患、不安症、うつなどとの関連が指摘されています。逆にいわゆる善玉菌と呼ばれるようなプロバイオティクスや食物繊維などのプレバイオティクスがこれらの疾患の症状を改善させる可能性が示唆されています。(Psychobiotics)
パーキンソン病や多発性硬化症などもdysbiosisとの関連が認められており、酪酸菌などを含むプロバイオティクスなどによる治療法の研究が進行中です。
これらの所見から腸内細菌は神経精神疾患の発症にいかに大きく関与している因子であることがわかるかと思います。
(Photo by David Matos on Unsplash) Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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