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腸内細菌と私たちの健康―循環器疾患編―

2020年3月14日

世界的に見ても循環器疾患は死因の上位に名を連ねていますが、実はこれにも腸内細菌が関与している可能性が示唆されています。腸内細菌はいくつかの経路で循環器の健康に影響を与えていることが明らかになってきました。

腸内細菌のバランスの乱れ(dysbiosis)があると、腸内細菌が腸管から血液に移行し、炎症反応の原因となります。これが動脈硬化を進行させ、結果として心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。これらの動脈硬化巣にあるプラークでは、腸管内にいる細菌と同じDNAが認められることより、腸内細菌によって引き起こされる炎症が循環器疾患に関与していると考えられるようになりました。

また腸内細菌は血圧にも関係しています。Dysbiosisは高血圧との関連が示唆されており、循環器疾患のリスクを高めることがわかっています。

ある腸内細菌は循環器機能を低下させる代謝産物を産生します。その中にトリメチルアミンNオキサイド(TMAO)や尿毒素、リポポリサッカライド(LPS)が含まれます。TMAOは動脈内で炎症を起こし、血管内皮機能を低下させますし、腸内細菌がアミノ酸を代謝して出来る尿毒素も、血管平滑筋に石灰化を起こさせ血管の弾力性を低下させたり、心房細動や心筋の機能障害の原因となったりします。

《TMAOに関する注意》:TMAOの前駆物質(コリン、フォスファチジルコリン、カルニチンなど)は肉や卵に豊富に含まれるため、以前は動物性の食材が心疾患を引き起こすとされていましたが、後の疫学的調査ではこの説は否定的でした。

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(photo by Robina Weermeijer@averey)

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