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IBS/SIBOについて

2020年3月 8日

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これまで過敏性腸症候群(IBS)の患者さんには、一般的に腸内環境に良いとされている「食物繊維」や「発酵食品」などが推奨されることが多かったのですが、実際にはこの食事療法で良くならない方や、むしろ症状が増悪するようなケースも多くあります。

これはIBSと診断されている人の中には小腸内での細菌の異常増殖を伴うケースがあり、この場合発酵食品や食物繊維、あるいはオリゴ糖のように人は吸収できないものの細菌が発酵するために格好の餌となる食材はむしろ細菌たちをさらに増殖させ、不快感の原因となるガスを多く発生させることになります。

本来大腸で行われる「発酵」は私たちの健康に寄与する「短鎖脂肪酸」を産生する重要なプロセスですが、これが小腸のように「間違った」場所で起こったり、たとえ大腸内でも過剰なガスを発生させると腹部膨満感や腹痛など様々な不調の原因となります。

これはあくまでも私見ですが、小腸内細菌異常増殖(SIBO)の原因に「間食」と「大腸での粘液層の菲薄化」が関連していると考えています。(これ以外にも原因となりうる病態が様々あります)

普段私たちが主食を食べた後、それを私たちの小腸の絨毛で消化吸収されたり、あるいは腸内細菌が代謝をおこなっている最中に頻繁に「間食」という形で多くの発酵されやすい糖質が摂取されることは、本来少ない数しか生息していないはずの小腸内細菌(はいわゆる「善玉」や「悪玉」の区別なくいずれも)に過剰な栄養素を与えることになり、過剰に増殖した細菌はガスを多く発生させます。

また、現代人に特徴的な「腸内細菌の多様性の低さ」はそのライフスタイルによるところが大きいとされていますが、加工食品や薬物、ストレスなどで腸内細菌のバランスが崩れることで、腸管粘膜を保護するはずの粘液層の厚みが菲薄化すると考えられています。この粘液層には選ばれし腸内細菌たちが生息し、私たちの腸管上皮細胞だけでなく免疫細胞とも密に情報交換を行い、私たちの健康に寄与してくれています。しかし、この粘液層が菲薄化することで腸内細菌が生着できる面積(容積)が縮小した場合、行き場を失った腸内細菌は「小腸」に生息しようとするのではないかと考えられます。ですから、小腸の過剰に増殖した細菌を減らしたとしても、大腸での粘液層が正常化しない限りSIBOは再燃を繰り返すのではないかと考えられます。

IBSやSIBOの症状の改善に有効とされている「低FODMAP食」ですが、これは小腸内での細菌が異常増殖している際に、その餌となりやすい食物繊維などの「FODMAP」を極力減らすので、実際にこの食事で症状改善が見られる方は多くいらしゃいます。

しかし、長い目で見た場合、「食物繊維」は大腸での粘液層を修復、維持するためには重要な役割を果たすため、低FODMAP食の継続は得策ではない可能性があります。

SIBOというと小腸での病態にのみ目がいきがちですが、このように大腸での病態や、あるいは胃酸の分泌が十分かなど、他の消化管の部位にも目を配る必要がありますし、腸管を支配する自律神経の働きも考慮に入れるとストレスマネジメントなどライフスタイルの改善無しには根本治療は行えないことがお分かりいただけるかと思います。

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