- ルークス芦屋クリニック
内科・消化器内科・心療内科 - 初診の方へ
- 予約優先制 0797-23-6033
(受付時間 9:30~18:00)
クリニック | 特徴 | 診療案内 | 治療・検査 | ブログ |
-
医者と井戸端会議
2019年9月28日
今日は診療を早く切り上げてこちらでお話をさせていただきました。
私たちが口から摂取した食事は、私たちだけが利用するだけではなく、腸内細菌と取り合い(競争)しながら、お互いに刺激を与えたり、制御したりと影響を与えあっています。
ですから腸内細菌を意識した食事というものが望まれます。
近年抗生剤の使用により腸内細菌の乱れ(dysbiosis)が問題になっていますが、実は人間よりも家畜の成長を促すために大量の抗生物質が使用されています。
私たちが口にする鶏や牛が成長する過程で使用される大量の抗生剤は耐性菌を生み出し、抗生剤や耐性菌が残留したまま私たちの口に入るリスクがあります。これはさらに私たちの腸内環境にdysbiosisを起こさせる要因となります。
さらに私たちや家畜に使用された抗生剤は環境へも流れ出し、生活環境における耐性菌の増加の一因ともなっています。
一度破壊された環境を元に戻すには小手先の対策では到底間に合いません。
食事のことを考える上で、腸内環境のことを語らずにいられませんが、これは私たちを取り巻く環境の問題でもあるのです。つまり腸内環境の問題は環境問題でもあるのです。
私たち人間の健康だけでなく、私たちと共存共栄する動物や、環境の健康をも含めて考えていく「ワンヘルス・アプローチ」は、本当の意味で私たち社会が健康をとり戻す上で欠かせない概念なのです。
・・・・とこういう事実を認識しながら、私自身はあまり深刻になりすぎないようにしようとも思っています。何故ならば私たちを生み出した地球や私たちを取り巻く環境は、私たちの愚行をも凌駕する叡智が備わっており、ちゃんとバランスを取ろうとしてくれていることを、根拠はありませんが、どこかで信頼しているからかもしれません。
もちろん人間自身にも叡智が備わり、自分たちの愚行を改めようとする動きがきっと生まれてくるであろうことも信頼しつつ、自らが少しずつ環境に配慮した生き方ができればと願っています。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
カテゴリ