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胃酸は重要

2019年9月 5日

私自身が長年腸のトラブルで悩まされた経験もあり、「ちゃんと食べて、ちゃんと出す」ことの重要性は身に染みて日々実感するところです。

特に、自らの経験から学んだこととして「消化・吸収能力」を高めることが健康を取り戻すためには重要ということでした。

オーソモレキュラーの素晴らしい概念を取り入れて実践していても、なかなか結果のでない人も中にはいらしゃいます。その原因には栄養素の受け皿となる胃腸での「消化・吸収能力」が低いことが挙げられます。

最近なかなか良くならないお腹の不調を訴えてクリニックを受診されている方が増えていますが、その多くはやはり、消化・吸収能力が低下していることが一因です。

『どうして消化・吸収能力が低下するの?』

  1. 咀嚼が不十分
    明治初期の日本では1回の食事に30分以上をかけ、約1000回の咀嚼をしていたと言われています。それに対して現代人は500回程度と激減しています。咀嚼することで食物が細かく刻まれるだけでなく、咀嚼により唾液の分泌が促され、唾液内のアミラーゼと呼ばれる消化酵素が炭水化物の一部を分解してくれます。ですから咀嚼回数が少ないこと自体が消化・吸収を妨げる要因の一つとなります。

  2. 胃酸の分泌が不十分
    胃酸は食べ物の消化や細菌の殺菌などを行う重要なものです。通常、胃酸はpH1以下の強酸性で、食物を消化し、吸収しやすい栄養素にまで分解します。胃酸が少ないと重要な栄養素が吸収されやすい形に変化しないため栄養障害の原因ともなるのです。胃酸は年齢とともに分泌量が減少していきますが、これは消化能力の低下に直結します。その上に漫然と胃酸を抑制する薬剤などで胃酸分泌を抑えるとさらに消化能力が落ちることにもなりかねないので注意が必要です。

  3. 胆汁の分泌が不十分
    胆汁に含まれる胆汁酸はコレステロールから合成されますが、この胆汁酸が脂肪をミセル化(脂肪を取り込んだ微粒子)し、脂肪吸収には重要な役割を果たしています。胆汁分泌刺激の一つが胃酸が十二指腸に流入することですが、胃酸が少ないとこの刺激も起きにくく、胆汁の分泌も不足する可能性があります。

  4. 消化酵素が不十分
    食物をさらに細かく吸収しやすい形にするのが消化酵素で、たんぱく質や脂肪、炭水化物を消化するためにそれぞれ異なった消化酵素が消化管から分泌されます。この消化酵素はタンパク質からできているため、栄養障害等で材料となるタンパク質が少ないと、消化酵素の生産量も少なくなり、結果として食べ物の消化が不十分となります。

  5. 腸内細菌の働きが不十分
    腸内細菌には様々な働きがあることが明らかになってきましたが、中でも食べ物を分解し私たちの健康にとって必要な栄養素を作り出す「代謝」を司っていることがわかってきました。「代謝」というのは体のなかで起る化学反応のことです。食べた物は吸収されてそれがエネルギーに変わって生命を支えるわけですが、その過程で、腸内細菌は重要な働きをしています。食物繊維は、かつてはただの食べ物の「残りかす」のように思われていましたが、いまでは重要な栄養素として認められています。その食物繊維は腸内細菌によって分解されることで体に有用な働きをするようになるのです。ですから、腸内細菌のバランスが乱れ、代謝の得意な腸内細菌が少なくなると消化・吸収にも問題を起こすこととなります。


『さらに。。。』

SIBO(小腸内細菌異常増殖症)やLGS(リーキーガット症候群)があると小腸粘膜上皮の機能低下を起こし吸収不良を起こすとも考えられていますし、逆に消化吸収能力が弱いから引き起こす病態とも考えられています。つまり鶏が先か卵が先かわかりませんが、いずれにしても消化吸収能力をアップさせることは重要なんです。

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『私の経験』

ちなみに私はこの全てが不十分であった時期がありました。

今考えると、若かりし頃に経験した原因不明の長引く咳や皮膚のトラブルも、消化・吸収能力が落ちていたがゆえに起こった症状だったと思います。一時ウツっぽっかったのもきっと消化・吸収能力に関係していたとも思っています。

この時点で腸の問題には気づかず、のちに潰瘍性大腸炎を発症させることとなりましたが、その後も消化・吸収能力については想いを馳せることはありませんでした。というか消化能力、吸収能力を高めるという発想は、当時の西洋医学の標準治療の中にはない概念でした。

標準治療ではとにかく目の前にある「炎症」を抑えることが重要でしたが、特定のサイトカインを追いかけるような治療をしても、結局は根本治療には繋がらないということを自らの大腸を全摘するという経験を通して初めて気づきました。

そして行き着いたのが
胃腸の「消化・吸収能力を上げる」
ということでした。
オーソモレキュラーをはじめとする様々な食事療法、栄養療法を学びましたが、結局はそれらの受け皿である「胃腸」を丈夫にすること。これに尽きるということは、様々なトラブルを経験してきたからこそ声を大にして伝えたいことなのです。
これまではこれらの症状が胃腸の状態と関連するとは想像つきにくかったのですが、「腸の健康」こそが「全身の健康」につながるというということが科学的にも証明される時代になってきました。

『さらにワンランク上の健康を目指して』

あなたのなかなか良くならない不調はもしかしたら胃腸が原因かもしれません。
不調がなく、一見健康に過ごせている人にも言えることですが、あなたの消化・吸収能力を上げることで、日々のパフォーマンスを向上させることや脳機能をも向上させることも可能になってきます。胃腸の健康はあなたのQOL(生活の質、人生の質)に直結します。

特に胃酸がしっかり分泌できているかどうかということは、あなたの健康・人生に大きな影響を与えることをぜひ知っておいてください。

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