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うつ病・躁うつ病 40代女性 -腸内フローラ移植症例紹介
2019年7月26日
8年前より鬱症状あり、薬物療法継続するも改善に至らず。腸内フローラ移植をして精神的効果のみられた症例。
初診時情報
患者様 40代 女性 主治医 院長 城谷昌彦 病名 うつ病、副腎疲労 発症時 30歳代半ば 移植目的 うつ症状(気分の落ち込み) 主訴 うつ症状 服薬中の薬 抗うつ剤、安定剤、眠剤 既往歴 なし 経緯、家族歴、生活習慣、サプリメントの利用状況など マルチミネラルビタミン内服
Optimal Start, Endefen, Bifidobacterium 服用
動脈瘤(祖父)移植情報
移植期間 2018年3月16日~2018年4月18日 移植回数 6回 移植初回~移植終了までの変化 1回目移植時問診 便通はほぼ毎日あるが固めブリストルスケールType1~2 2回目移植時問診 1回目の移植翌日より調子が良い。朝早く起きられて何年かぶりに両親に朝ごはんを作った。山に散歩にも出かけた。見る夢まで変わってきた。術後連日排便があったが、便秘がひどかった今まででは考えられないこと。 3回目移植時問診 2回目の移植は1回目ほどの変化はなかったが、調子は変わらないです。顔色良好。表情も穏やか。また悪くなったらどうしよう➡︎認知行動療法施行。 5回目移植時問診 1回目のあとすごく良くなったと体感したが、その後大きな変化はなくて維持している感じ。まだしんどいときはある。 6回目移植時問診 今日は電車が混んでいて気分が悪くなった。便通は落ち着いている。便の状態は毎日やや硬め。 移植終了後の変化 便秘と気分の落ち込みやイライラが改善された。 評価・考察
移植評価 症状の明らかな改善 移植前後フローラバランス検査の変化 [移植前]2018年2月実施
日和見菌、善玉菌の比率は悪くありませんが、免疫力のアンバランスが目立ちます。
他力本願で、反対する姿勢を表に出せず、一人で腹を立てているような感じがするバランスです。[移植後]2018年5月実施
乳酸菌ビフィズス菌群とバクテロイデス属のバランスは大きく変化なく、かつバランス全体に対するクロストリジウム属の比率が上昇していることから、免疫力の向上が認められます。Clostridium subcluster XIVaに加えて、Clostridium cluster IXの発現もあり、メンタル面は以前よりは安定しているはずです。(調子が悪くなりそうになっても、いくところまで落ちるのではなく、どこかでブレーキがかかっている感じ)
ただ、本来であればClostridium cluster IXはもう少し少ないことが望ましく、Clostridium cluster IVももう少し減ってバクテロイデス属の比率が増えると、性格はかなり大らかになるはずです。乳酸菌などとは違い、クロストリジウム属のコントロールは自己の生活習慣では難しいため、御本人の体調次第では、可能であれば追加移植が望ましいかと存じます。血液検査の変化 データなし POMS2スコア変化 怒り-敵意(AH)、混乱-当惑(CB)、抑うつ-落込み(DD)、疲労-無気力(FI)のネガティブな気分が低下して、活気-活力(VA)のポジティブな気分が上昇しており、大幅な精神的改善を認める。 <腸内フローラバランス 移植前後比較データ>
<移植総評・考察>
比較的早期に便通異常の改善とともにうつ症状の改善を認めた。
腸内フローラのバランスも良くはなっているが依然不安定さもあるため長期での経過観察が必要と考える。場合によっては追加移植も検討が必要。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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