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マイコトキシン(カビ毒)
2018年11月 9日
マイコトキシン(Mycotoxin)とはカビが発する毒素の総称で、これを取り込むと様々な体調不良や疾病の原因となります。
マイコトキシンは様々な食材に含まれていますが、意外と知られていません。カビの菌体そのものは加熱処理などで取り除かれても、マイコトシキンは熱にも強いことから食材に残留していることがしばしばあるとされています。
これらを取り込んでしまうと、マイコトキシンは細胞膜やミトコンドリア機能障害、活性酸素発生などの原因となるため様々な不調を起こします。
マイコトキシンによる主な症状は、慢性疲労、不眠、環境に対する過敏症状などが代表的な症状です。
これはマイコトキシンを解毒しようとして肝臓の予備能力が低下しているために、新たな化学物質に非常に敏感になってしまうと考えられています。
さらに、毒素うまく解毒されず体内に蓄積していると、下記のような疾患を引き起こす可能性が示唆されています。
慢性疲労症候群、線維性筋痛症、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病など。
上記の症状が続く場合は一度マイコトキシンを疑ってみる必要があります。
私も以前読んだ「最強の食事術」という本のなかで頻りに「マイコトキシン」という言葉が出て来ていたので関心がありました。しかし国内でこの検査をしてくれるラボを探しましたがなかなか見つからず、最近になってやっと海外のラボでマイコトキシン検査を請け負ってくれるところと出会いました。
「尿中マイコトキシン検査」は尿中に出て来たマイコトキシンを定量するもので、先日私も受けてみました。するとオクラトキシンと呼ばれる代表的なマイコトキシンの蓄積を認めました。オクラトキシンは主に穀類や豆類、乾燥果実、コーヒー豆などに含まれることが多いマイコトキシンです。
マイコトキシンによる症状に対しての治療は、主に吸着剤を使い体外へ排出させる方法をとります。また、カビの増殖しやすい湿気の多い環境を避けるということも重要で、湿気の多い日本ではなかなか難しい場合もありますが、除湿機や空気清浄機を上手に使うことで対処可能です。
私も9月のセミナーで教わったクレイを使ってマイコトキシンの治療を始めました。経過に関してはまた改めて報告しますね。
原因のわからない慢性疲労症状のある場合は慢性持続性のマイコプラズマ感染症も鑑別に上がりますが、マイコトキシンによる症状の可能性も考えておく必要がありそうですね。
ご関心のおありの方はご相談ください。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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