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SIBOが注目されています
2018年6月25日
過敏性腸症候群(IBS)と診断を受けている方の中には、特に食後の膨満感や、腹痛、便秘、下痢、ガスの他に頭痛や逆流症状などの症状を伴う方がいらっしゃいますが、このような場合には一度SIBO(小腸内細菌異常増殖症)を疑ってみることをお勧めします。
小腸は主に胃で消化分解された食べ物をさらに小さく消化し吸収する役目があります。大腸に比べるともともと小腸に棲息する細菌の数は少ないのですが、何らかの原因で小腸内の細菌が異常増殖すると、本来大腸で行われるべき発酵が小腸でも起きることとなり小腸内にメタンなどのガスが多く発生することになります。SIBOが疑われる場合にまず取り組みたいのが食事療法ですが、基本的な考え方としては小腸内でのガスの発生を抑制するために発酵しやすい食材を避けていただくようにします。小麦を避けると症状が改善する方がいらっしゃいますが、これは必ずしも小麦アレルギーやグルテンアレルギーではなく、むしろ小麦が発酵しやすい糖分を含んでいるため、小麦を減らすと発酵によるガスの発生量が軽減しSIBOの症状が改善すると考えられています。
一般的に「腸内環境に良い」とされるプロバイオティクス(善玉菌)や食物繊維が、SIBOの場合には症状を増悪させることがありますので注意が必要です。
リファキシミンと呼ばれる抗生物質は、欧米ではSIBOの治療に使用され高い効果を示しますが、再発率も高いと言われています。一時的に使うのは良いでしょうが、さらなるdysbiosis(腸内環境の乱れ)を引き起こす原因ともなります。
SIBOを診断するための検査では、腸管で吸収されず、腸内細菌により発酵するラクツロースを飲んだ後の呼気に含まれるガス(メタンや水素)の量を測定します。SIBOが疑われる症例では呼気のガスの量が増加します。
気になる症状をお持ちの方は一度お気軽にご相談ください。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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