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「病気」を考えるか「健康」を考えるか

2018年2月12日

最近家内に勧められて手にした本
稲葉俊郎先生の
「ひとのこころとからだ いのちを呼びさますもの」

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幼少時の病の体験を通して
いのちとは何かを探求し続けてきた著者は
医師となり、医療の本質を追い求める。

そんな著者の思いに随分と共感する部分もあり備忘録としてここに書き留めておこう。

そもそも西洋医学では
体は病との「戦場」として捉え、
日本で古来から行われてきた医療は
体を「調整」の場と捉える。

それぞれは相反するものではなく
アプローチの仕方がそもそも違うわけで
「病気」を考えるのか「健康」を考えるのかの違いがある。

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「治す」は主体は医療者で
「治る」は主体はその人の治癒力である

西洋医学はその圧倒的な科学的背景を
基礎に発展を遂げてきたが、
扱う対象が「たましい」や「こころ」を
持ったひとである以上、
西洋医学だけではカバーできない領域がある。

そもそも西洋医学のみているものは
「病気」であり、
医学部でも「健康」について
学んだことはなかった(と思う。。多分)。

「健康」の定義は結構曖昧で
これは個人がどこをゴールにするかで
随分と違い、必ずしも「病気がない」
というだけではない代物だ。

実際の医療現場でも
その人の健康観や場合によっては死生観が
病気の経過や、その人を取り巻く周囲との
関係性に大きな影響をもたらすことは
少なくない。

それだけに病気だけを診ようとする目と同時にいかに医療従事者の健康観や死生観が安定しているかが問われる場面が多い。

医療の本質を考えた時、
病気へのアプローチだけでは
根本治療とは言えない。

どうしてその人が病気になったのか。
そこへ想いを馳せるプロセスなしに
根本治療とは言えないし医療の本質からは
かけ離れている。

よく「医療は芸術(アート)」とも言われる。
まさに、エビデンスを基本とした医療(EBM)とその人のヒストリーを紡ぎ、その人オリジナルのストーリーとしていくことを基本とした医療(NBM)を統合していくという働きはまさに芸術とも言える

ちなみにヒストリー(histosy)の語源は
his story(彼のストーリー)
だと言われていることは
医療の本質を考える上でも大変興味深い。

うちの取り組みも少しばかり医療の本質に
近づいているのではと勝手に自画自賛しながら自分の提供したい医療の方向性が改めて間違っていないと確信させてくれた一冊。

稲葉俊郎先生、
是非一度お会いしてみたい人がまた一人増えました。

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