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不登校状態の子供の身体には何が起こっているのか?

2018年2月14日

最近、中高生の不登校の相談が増えている。

色々と他の医療機関を受診したが
「根性が足りない」
だとか
「親の育てかたの問題」
だとか
「怠け」
だと言われ、ますます学校に行けなくなる子もいる。

中には「うつ」や「心身症」だとして抗うつ薬や睡眠導入剤を長年飲んでいる子どもも。

「学校過労死〜不登校の子どもの身体には何が起こっているのか〜」

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この本は副腎疲労という概念のまだないとき(1994年)に書かれた本であるが不登校という現象を生物学的、身体的側面から科学的に説明している良書と言える。

巻頭の「はじめに」にはこう書かれている「〜この状態では、脳機能のうち学生にとって最も大切な新しい知識を長期間記憶(記銘)する機能が疲労し十分に働かなくなっておりますから、不登校状態は学生・生徒にとって一時的にあるいはかなりの長期にわたって仕事ができない(勉強できない)致命的な状態であり、「学校過労死」ということさえできるのです。〜」

「学校過労死」は非常にセンセーショナルな言葉だが、
実際に診療の現場において、
頑張りすぎて、
心身ともにすり減らし、
それでもまだ頑張ろうとする
子供達の心の奥底からの悲鳴を聞いていると
あながち言い過ぎでもない言葉だ。

この本の中では、
そこに至るまでの症状を
起こしうる身体的問題の中で
内分泌、特に副腎ステロイドの分泌不全
についても触れられており、
今で言うところの「副腎疲労」に
該当すると思われる。

副腎疲労と診断されるの子どもたちの多くは
慢性的なストレス(自覚がない場合も少なくない)
を抱えているのだが、
そもそもどうして
副腎疲労になるものとならないものがいるか。

それは感受性の違いとも言えるかもしれないが、これは決して繊細な心の持ち主という意味合いだけではなく、それぞれ感受性の高い臓器があって、ストレスにより下痢や便秘になったり、頭痛を繰り返したり、動悸がしたり、症状は様々だ。

しかし分子栄養学的に分析すると
共通するのはほとんどのケースで
ビタミン、ミネラルが不足しており、
細胞内のミトコンドリア(エネルギー産生工場)の
機能不全が疑われることだ。

この飽食の時代に
まさか「栄養失調」が存在するなど
誰も思ってもいないが、
実際は結構潜在的な栄養失調のものは多い。

特に鉄や亜鉛、マグネシウムといった
エネルギー産生に必須のミネラルや
ビタミンB群やCといった副腎をサポートする
ビタミンの欠乏は深刻だ。

これには精製された糖質の摂取過剰に加え、
体を作る蛋白不足が背景にあることが多く、
カロリーは多いが栄養素が不足している状態で
「新型栄養失調」とも呼ばれる。

これらのケースでは何と言っても
まずは腸内環境の改善

胃酸がしっかり分泌し、
食べたものをしっかり消化吸収できる
胃腸を作ることがまずの目標で、
ミネラルやビタミンの消化吸収の
受け皿を作ることがとても大切。

不登校になってまだ日が浅いケースなどでは、
胃腸を整えるための食事指導と
ビタミン・ミネラルのサプリを補充するだけで
数日でみるみる回復し、
学校に行けるようになるケースも。

あなたの子供が今、
不登校気味な場合、
「副腎疲労」の存在を一度疑い、
検査を受けることをぜひ検討を。

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