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副腎疲労症候群を診断するために(開院1周年記念企画①)
2018年1月 1日
(Adrenal Fatigue HPより)
慢性の疲労症状があるが、原因がわからず悩んでいる方は人口の1%程度いると言われています。このような症状をおこす病態は様々ですが、特に下記疾患の鑑別が必要となります。
中でも当院では「副腎疲労症候群」の診断・治療を積極的に行っています。
「副腎疲労症候群」はまだ新しい疾患概念で、一般の内科ではまだ診断できない場合もあります。診断がなかなかつかない場合や、下記の診断を受けて治療を受けているがなかなか良くならない場合は、一度ご相談ください。
「慢性疲労症候群」
「起立性調節障害」
「鉄欠乏性貧血」
「甲状腺機能低下症」
「うつ」
「副腎疲労症候群」
副腎について副腎は腎臓の上にある小さな臓器で二層に分かれています。
内側の層は副腎髄質と呼ばれ、危険な状況を回避するために必要なアドレナリンやノンアドレナリンと呼ばれるホルモンを分泌して脳と体の働きを加速させる役割をします。
外側の層は副腎皮質と呼ばれ、コルチゾール、DHEA、アルドステロンの3種類のホルモンを分泌しています。慢性的にストレスがかかったり、大きなストレスがかかったりするとこれらのホルモンの分泌量が低下しますが、中でも抗ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が低下し、ストレスに対処できなくなった状態を副腎疲労といいます。
同様にコルチゾールの分泌量が低下する疾患に「アジソン病」があります。アジソン病は非常に稀な病気ですが、命に関わる急を要す病態です。一方、副腎疲労症候群は慢性的で直接命に関わる病態ではありません。しかし現代のストレスの多い社会構造の変化に伴い多くの人に見られる病態で、アメリカでは人口の15%程度、日本ではこれより多い割合の人が副腎疲労ではないかと言われています。
副腎疲労チェックリスト(当てはまるものにチェックをしてください)- 朝起きるのが辛い、疲れが取れない
- 甘いものや塩分が濃いものが無性に食べたくなる。
- 甘いものを食べると元気になるが、その後だるくなる。
- エネルギーが不足している感じがする。脱力感がある。
- 今までできていた日常的なことをやるのに一苦労する。
- 性欲が低下している。
- 突然カッとして怒りが爆発する。
- 風邪などの呼吸器の感染症に罹りやすい。罹ってもなかなか治らない。
- 傷が治りにくい。ミミズ腫れができやすい。
- 気持ちが落ち込む。うつっぽい感じがする。不安が強い。
- 人生に何の意味も見いだせない。楽しいことがない。
- PMS(月経前症候群)や更年期症状が悪化している。
- コーヒーやコーラなどのカフェインの入った飲み物を口にしないとやる気が出ない。
- ボーっとすることが多い。集中力が低下した。
- 物忘れをすることが多くなった。記憶が曖昧なことが多くなった。
- 夕食後になると少しずつ元気になってくる。
※上記のうち3項目以上当てはまる場合は、「副腎疲労症候群」の可能性があります。
※3項目以上当てはまるからといって、必ずしも「副腎疲労症候群」と診断できるわけではありません。専門医に相談されることをお勧めします。
副腎疲労の原因
副腎疲労の一番の原因は精神的ストレスですが、過労、睡眠不足などの肉体的ストレスや生活習慣などが蓄積し、複合的な要素により引き起こされることがほとんどです。- 精神的ストレス
トラウマ、人間関係、仕事、金銭、家庭
- 肉体的ストレス
過労、慢性感染症、アレルギー、睡眠不足
- 生活習慣
栄養不足、毒素の蓄積(タバコ、重金属、添加物、農薬、砂糖など)、薬の常用
副腎疲労の検査
- 唾液中コルチゾール検査
唾液中のコルチゾールの日内変動を調べることで副腎疲労の程度、ステージを知ることが可能です。
- 遅延型フードアレルギー検査
遅延型フードアレルギーは摂取後数時間から数日経ってから起こるアレルギー反応で、腸内環境の乱れ(リーキーガット症候群)と関連しています。
- 尿中有機酸検査
腸内細菌の産生する毒素や、ミトコンドリアでの代謝産物などを調べることが可能で、腸内環境や、ミトコンドリアの活性などを知ることができます。
- 毛髪ミネラル重金属検査
ミネラルバランスの乱れや有害金属の蓄積はミトコンドリア機能を低下させ、結果として副腎疲労の原因となります。毛髪は、汗や便などと同じように体内の重金属などの毒素を体外へ出す役割があるため、毛髪を調べることで体内のミネラルバランスや有害金属の排泄能を知ることが可能です。
- 心理検査
精神的なストレスが副腎疲労の大きな原因の一つですが、意識できるストレスは比較的対処できやすいのですが、無意識に押しやられたストレスにはなかなか気づきにくいものです。必要な場合にはカウンセリングを通して、ご自身の思考(物事の捉え方:考え方のクセ)を知り、より健全な思考を育めるようにサポートいたします。
副腎皮質ホルモン(コルチゾール)はストレスに対処するために必要なホルモンですが、慢性的なストレスが続いた場合は、副腎が疲憊し、コルチゾールの分泌が低下したり日内リズムが崩れたりします。(下図:唾液中コルチゾール検査)
Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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