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ビタミン・ケトン療法(VKT)+水素点滴療法について
2017年8月 9日
当院ではがんの治療として高濃度ビタミンCとビタミンBの点滴に糖質制限を中心とした食事療法を併用したビタミン・ケトン療法(VKT)を行っていますが、それに加えて
「(飽和)水素点滴療法」
を併用することを始めています。ビタミン・ケトン療法(VKT)
高濃度のビタミンC投与で発生する活性酸素によるがん細胞障害と細胞のミトコンドリア機能の向上を目的としたビタミンB群の投与を行います。
さらに、がん細胞の唯一のエネルギー源である「糖質」を減らし、正常細胞ではエネルギー源となるケトン体濃度を上昇させるための食事療法も併用致します。
高濃度のビタミンCは、細胞に取込まれると大量の「スーパーオキシド」「過酸化水素」を発生します。
正常細胞ではミトコンドリアが正常であるために、これら活性酸素を「SOD」や「カタラーゼ」によって除去できますが、がん細胞はこれらの抗酸化酵素を産生できません。
そのため、がん細胞はビタミンCによって発生した活性酸素によって障害を受けます。
ビタミンBによりミトコンドリア機能が活性化するとアポトーシス(細胞のプログラム死)が誘導されるようになり、無秩序に増殖することがなくなります。
本来、正常細胞がこれら活性酸素を除去できますが、抗酸化能力が低下した状態であれば、正常細胞とはいえども「活性酸素による弊害:酸化劣化」は避けられません。
(飽和)水素点滴療法
これは「水素の高い抗酸化力」を利用した治療法です。
がんに対する水素点滴の目的は「正常細胞(リンパ球など)の酸化劣化を抑制」することによって、免疫力を高めることです。
その他にも水素による「がん細胞アポトーシス誘導作用」なども考えられています。
VKT+水素点滴
この2つの治療を併用することによって
#ビタミンCの「活性酸素発生による抗がん作用」
#ビタミンBの「ミトコンドリア機能改善」
#ケトン体の「がん細胞障害作用」
#水素の「抗酸化による正常細胞活性化作用」
を目的としています。
当院では高濃度ビタミンC点滴の終了した後に水素点滴を行います。
この方法ではビタミンC点滴中にがん細胞が死滅し、ビタミン点滴後の水素点滴によって正常細胞内に発生する活性酸素が除去できると考えられます。
なお、いずれの点滴もがんの三大治療の併用も可能です。
むしろ併用することで三大治療の副作用を軽減する効果も認められておりますので三大治療を受けられるときは併用を検討してみてください。
ご関心のおありの方はどうぞご相談ください。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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