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「食生活と身体の退化」プライス博士が教えてくれたこと
2017年8月11日
1930年代に活躍した歯科医師ウェストン・プライス博士。
彼は、およそ10年間妻とともに健康の秘訣を求め世界中を訪ね歩きました。
世界中の近代文明から孤立した集団や先住民族の食生活を調べ、著書「食生活と身体の退化」を1939年に出版しました。調査対象として選んだのは、病気に苦しむ人びとではなく、健康な人びとでした。
その驚異的な健康がいかにして獲得され、いかにして崩壊していくのかを明らかにしていきます。
近代文明から孤立した集団では、虫歯や歯周病、咬合不全はほとんどありませんでした。
しかし、西洋近代文明がもたらした精製された穀物、植物油、加工食品、そして砂糖、が生活の中に入ってくると同時にその子どもたちの顎は細くなり、虫歯、歯周病、咬合不全が急激に増加します。
それに伴い鼻孔も狭くなり鼻腔の発達も未熟になります。
スイスでも近代化の進んだ地域では虫歯は驚くほど増えて行きました。上の写真はいずれも両親も子供も適切な食物をとっている場合。
顔や歯列弓の形状は正常で、鼻孔も発達しています。左上の少女は16歳で、右の子はそれより年下です。2人は精白パンと甘い物を多く食べていました。
下の2人は歯並びが特にひどいのがわかります、この歯列不正は遺伝によるものではありません。
さらにこれらの食事が増えると口腔内の異常だけでなく、鼻腔の未発達による鼻閉、糖尿病、肥満などの慢性病が増えてきます。
動物による実験ではその種にとって適切でない食事を与え始めた世代から数えて2代目から様々な身体の変化(退化)が始まります。
そして3代目には生殖機能の低下がみられ、不妊症が多くなるとしています。
戦後の日本で考えると今の若者たちはちょうど3代目に当たる世代と考えられます。
草食系男子が増え、不妊治療をするカップルが増えていることは、私たちが日常口にする食べ物と少なからず関係があることが容易に想像できますよね。
現代社会では衛生状態も改善し、生活は豊かになりました。
医療も高度になり、咬合不良などの『発育不良』をカバーできるようになりましたが、人間という生物学的な本質を考えた時、今いちど私たちの食事を含めて、生活習慣を見直してみる必要があると思われます。
当クリニックではそんな観点からもあなたの不調を良くしたいと考えています。
10月1日(日)に姫路で講演会を開催します。
栄養のこと、根本治療のこと予防医学のことなどお話しします
是非ご参加くださいね。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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