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眼瞼痙攣とカフェイン〜副腎疲労とカフェイン中毒〜
2017年8月17日
「副腎疲労」を背景に無意識にカフェインなどの刺激物に依存するようになり、様々な不調を訴える方がいらっしゃいます。
今日はそんなお一人のお話です。「眼瞼痙攣がやっと止まりました!」
そう言って診察室に入ってこられたのは当院通院中の50代の女性です。
「先生に勧められてカフェインをなんとかやめたら嘘にように眼瞼の震えが止まりました。ここ数年来悩まされ続けた症状がやっと治りました。何かの間違いかとも思い、一回だけコーヒー飲んだら、やっぱり直後から痙攣がまた始まったんです。」
この女性はもともと
*気分が落ち込む
*倦怠感がひどい
*朝起きられない
*外耳道炎を繰り返す
などの主訴で来院された方です。
病歴を聞いているとコーヒーを1日3−4杯飲んでいるとのこと。
眼瞼痙攣は以前から症状あり「当たり前」になっていたので初診時の主訴には挙がってはいませんでした。
採血結果より
*鉄不足に伴う貧血
*タンパク不足
*亜鉛不足
*マグネシウム不足
*ビタミンB不足
*ビタミンD不足
などの栄養素の不足で高度の貧血も伴いました。
また唾液中コルチゾール検査ではコルチゾールの分泌不全があり「副腎疲労」が潜在的にあることも判明しました。
つまり、
①慢性的なストレス
↓
②副腎が疲弊
↓
③コルチゾール分泌不全
↓
④副腎疲労
↓
⑤慢性的な疲労症状
↓
⑥カフェインを習慣的に摂取
↓
⑦交感神経を興奮させる
↓
⑧なんとか日常生活を送る
↓
①に戻る
という悪循環を繰り返していたことになります。
副腎疲労が背景にあると特にカフェインに依存して(つまり無意識にドーピングをしている)日常生活を送っている人が多いですが、本人は全くそれに気づいていません。
(こういう方、周りにいませんか?)
この方の場合、鉄などの必要なミネラルや副腎サポートに必要なビタミンなどを補い、食生活を見直してもらいました。
糖質が比較的多かったので、徐々に減らしていくようにボーンブロスなどを活用しながら指導しました。
その後、(これが結構ハードルが高かったのですが、、、)
コーヒーを減らしていくことにしました。
最初は禁断症状のだるさが強く、頭痛、落ち着かない、イライラするなどの症状も伴いました。
何度かくじけそうになりながらもなんとか依存症状から抜け出せるようになり、今までずっと気になっていた右目の眼瞼の震えが止まっていたことに気がつきます。
次第に朝の目覚めも良くなり、今までネガティブな感情に支配されがちだった気持ちも徐々に健全な思考ができるようになりポジティブな感情の時間が増えていきました。「ずーっとこれは『うつ』の症状だと思っていました。まさか栄養が足りていなかっただなんて思ってもみませんでした。」
もともと真面目な方は「頑張り」すぎて副腎疲労になってしまう方が多いのですが、この方も真面目であるが故にきっちりとこちらの指導を実践されました。
すると約4ヶ月で貧血の改善や副腎疲労からほぼ回復され、表情が柔らかくなり雰囲気もとても明るくなられました。
長年の眼瞼の痙攣はカフェインにより交感神経の慢性的な緊張と慢性的なマグネシウム不足が引き起こした症状なのでした。
繰り返す外耳道の感染症も副腎疲労に伴う免疫機能の低下が引き起こすものでした。
この方のように普段から無意識にコーヒーなどの刺激物を繰り返し摂取している方の中に副腎疲労が背景にある場合があります。(エナジードリンクも一緒ですよ)
あなたの周囲にそんな方はいらっしゃいませんか?
そして、あなた自身はどうですか?
ほんとは体は悲鳴をあげているのではないでしょうか?
気になる方は一度ご相談くださいね。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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