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医師はなぜ栄養について知らないのか? 〜分子栄養学のススメ〜
2017年7月25日
実は私もそうでしたが、正直、医学部で栄養について詳しく学んだ経験はありませんでした。
内科の授業でビタミン不足によって起こる欠乏症については学びましたが栄養豊富な現代では栄養素不足が原因で起こる疾患などないと思っていました。『栄養は、専門家である栄養士に任せていればいいし、「普通」に食べて入れば、栄養失調になることなど現代社会ではよほど特殊なケースでない限り起こらない。
むしろ栄養過多による生活習慣病に対してのみ(血圧に対して減塩、糖尿に対してカロリー制限など)栄養指導を行えば良い』
というのが、一般的な医師の栄養に対する考え方です。恥ずかしながら私もその一人でした。
しかしその後、様々な栄養素の不足が現代社会が抱える様々な疾患と密接に関連しているということを理解し始めたのは医師になって15年以上経ってからのことです。
「新型栄養失調」という言葉が取り上げられるようになり、一般の方でも、現代社会に暮らす私たちの食事が、カロリーは多くても細胞が健全に活動するために必要な栄養素が不足していることに徐々に気づき始めました。
特に精製された糖質過多により起こるビタミンB不足は深刻です。
ビタミンB不足は細胞内のエネルギー産生工場であるミトコンドリア内のクエン酸回路活性を落とし、慢性的なエネルギー不足に陥ります。
エネルギー不足に対して体はなんとか別のエネルギー産生経路からエネルギーを作ろうとして、解糖系によるエネルギー産生を行います。この場合、ますます甘いものがやめられなくなります。
エネルギー不足は細胞が本来の仕事をするために決定的なダメージを与えます。
多くの疾患の原因はミトコンドリア機能異常によるエネルギー不足とも言われています。
ですからどんな疾患を治療するにしても
まずは細胞がちゃんとエネルギー産生できる環境であるかどうか(細胞が喜ぶ環境か)がとても重要です。
それには十分な鉄や亜鉛、マグネシウムなどのミネラルやビタミンB群が大変重要です。
「分子栄養学」は、体と栄養素の関係を、生化学的、分子生物学的に研究する分野であり、栄養素の不足が様々な疾患を引き起こすと考えます。
残念ながら、一般的な医学会ではまだ認められた分野ではありませんが、これからの医療には欠かせない分野になっていくと私自身確信しています。
そこで、院内セミナーを開催します。
さて、毎月行っている恒例の院内セミナーも来月で8回目を迎えます。
8回目のテーマは、ずばり「分子栄養学のススメ」です。
分子栄養学の考え方についてわかりやすくお話しさせていただきます。第8回院内セミナー「分子栄養学のススメ」
日時:2017年8月18日(金)13:30~14:30
参加費:無料(事前に予約が必要です)電話 0797-23-6033うつやパニック、慢性の疲労、自己免疫疾患など慢性の不調をお抱えの方、ぜひご参加くださいね。
栄養について全く知らなかった医師が「分子栄養学」に目覚め、栄養素のすごさを改めて認識しました。
その思いをみなさんにお伝えしたいと思います。
ご期待くださいね。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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