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ケトン体の効用
2017年5月 8日
このように、患者様が良くなっていかれることは医師として何より嬉しいことです。
この例を通して、みなさんにも是非知っておいていただきたいのは、誰にも「自己治癒力」というものが備わっていることです。
「細胞が喜ぶ環境作り」をすることで細胞が本来の仕事をし始めると自ずと「自己治癒力」は高まります。
「細胞が喜ぶ環境」を作るには、細胞小器官、特にミトコンドリアの活性を上げるためのビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分補給し、さらに「気」を高めるために「得たい結果」をイメージすること。
「得たい結果」をイメージすることで良い「気」が流れ始めます。
良い「気」は、細胞に良い影響を与えます。遺伝子の発現をコントロールします。
エピジェネティクと呼ばれる新しい分野の科学ではあなたが何を考え、何を望んでいるのか。そのエネルギーを細胞は常に受け取っており、遺伝子に影響を与えていると言っています。
この例では、サビタミン・ケトン療(VKT)では糖質を制限し、脂肪の代謝産物である「ケトン体」の血中濃度を上昇させます。
糖質を制限するとエネルギーが不足することを懸念する方は少なくありません。
確かに通常では脳はエネルギー源としてブドウ糖しか利用できません。
そして、脂肪酸をエネルギー源として利用できません。
しかし、体はブドウ糖が枯渇したときに脳のためにエネルギー源を作らなければなりません。
そこで、肝臓では脂肪酸を分解する過程でケトン体を生成するように進化したと考えられています。
ケトン体は水溶性ですので血液に溶け各組織でのエネルギー源となります。
そして脳血流関門(BBB)を通過し、脳でのエネルギー源として利用されます。
ケトン体は血流に乗って運ばれ、細胞内ではアセチルCoAとしてエネルギー産生回路であるTCA回路に取り込まれエネルギー源となります。
ここまでは正常細胞でのお話ですが、癌細胞では、ケトン体をエネルギー源として利用することはできません。
それどころか、むしろケトン体は癌細胞にとって増殖抑制作用を示します。
さらに糖質を摂取した時には血糖が上昇しますが、この血糖を下げるためにインスリンが分泌されます。
インスリンの分泌により癌細胞の増殖も促進されることも確認されており、インスリン分泌をできるだけ抑える戦略が重要です。
VKTでの食事療法は、糖質制限+良質の脂肪摂取を基本とします。
これは決して、どの人にでも当てはまる食事療法ではありません。しかし、がんの治療という側面では非常に期待の持てる食事療法です。
さらに、治療効果を上げるためにはミトコンドリア機能を上げるためにビタミンミネラルを十分に摂取することも重要です。
当院ではさらに抗酸化力をアップさせるために水素水の点滴治療を追加で行います。
治療とは言っても今まで糖質にどっぷりと浸かってきた食生活をしてきた方にいきなり糖質制限というのはかなりハードルが高い場合が多く、長続きしないことが見受けられます。
ココナッツオイルなど中鎖脂肪酸を利用しながら少しずつ糖質を減らしても空腹感をできるだけ感じにくくするような工夫も必要です。
5月19日(金)13:30~14:30
院内セミナーではVKTについてお話いたします。
ご関心のおありの方はご予約をください。リメントも使ったものの患者様ご自身が、たとえ厳しい状況にあっても「喜び」に満たされ、「得たい結果」をイメージし、ご自身の自己治癒力を信頼されたと言うことが改善を促進させた最も力強い要因であったと思われます。
「病」を忌み嫌うのではなく私たちに様々なメッセージを送ってくれる「優しいメッセンジャー」であることを知り、病と闘うのではなく、耳を傾け、そのメッセージを受け取ることで、気がつけば、病が消えていたと言うことは珍しくありません。
このような気づきに至るまでにはその人にとって必要な時間はそれぞれですが、当院では、患者様がご自身の病のメッセージを受け取れるようにお手伝いができればと考えています。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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