- ルークス芦屋クリニック
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まずはできることからコツコツと
2017年4月11日
先日、スコットランド人で娘の英会話の家庭教師をしてくださっているC先生と話す機会がありました。
C先生は非常に聡明で引き出しの多い方です。政治経済を始め、健康から建築、子育てや日本の野球事情(彼は阪神ファン!)まで話好きの彼は一旦話し出すと色々な話題でとどまることを知りません。
今回の彼との話の中で話題となったのが「乳がん」。
彼は身内を若くして乳がんで亡くしたと言います。そして彼はこう続けます。
「これは個人的な意見だけど」
と前置きし、「最近若い人の乳がんが増えている。そのほかにも昔は珍しかった色々な病気が増えている。牛乳などの動物性蛋白が病気の原因だなんていう意見もあるけど僕にしたら、自分の田舎でみんな牛乳を飲んでいたし、それは必ずしも正しいと思わない。
むしろ、色々な食べ物が工業化されて作られていることに問題があると思う。」彼の田舎のスコットランドでは牛乳はみんな「放牧牛」から取れる新鮮なミルクを飲んでいるがそんな大した病気をする人はまずいなかったと。
「でもアメリカでは多くの農家がビジネスマンと化し、いかに効率よく食物を生産するかにフォーカスしている。放牧牛は高くつく。なぜなら牛の食べる「草」が高いから。だから、もっと安く生産できるとうもろこしを食べさせて、さらには死んだ牛の肉骨粉まで資料に混ぜるなんてクレイジーなことをやっている。だから狂牛病なんて病気が問題になるんだ。今の経済システムではオーガニックな食材を作ればどうしても高くつくし、スーパーや消費者も安いものを求める。」
確かに彼の分析は的を得ています。
つい動物性蛋白が槍玉に挙げられますが必ずしも動物性蛋白ばかりが体にダメージを与えるのではなく、むしろその動物を飼育し、食品にする上で様々な加工が施されていることにも目を向ける必要があります。
そのほかにも今の日本をはじめとする先進国の農業事情は憂慮すべき点が少なくありません。
生産性を追求するがあまり不自然な品種改良や、遺伝子組換え種、抗生物質や農薬の過剰使用、長期の保存を目的として、過剰の添加物や見た目を重視するがゆえの着色料、彼と今の経済システムや農業の現状に対しての憂慮の念を共有しつつも中には非常に意識の高い農家や消費者も少しずつ増えていることにも希望を覚えました。
皆さんも振り返ってもう一度考えて見ませんか?我が国の現状を。
現状を知ることでできることから行動を変えていきませんか。
そんな小さな行動があなた自身の健康を守り、あなたの家族を守りそして私たちの子どもや孫の世代へより良い環境を残していくことに繋がります。
できることからコツコツと。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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