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ケトン体の効果を高めるには?
2017年3月19日
今月の初めに参加したハワイのヘルスリトリート
そのプログラムをリードするアメリカ人Drたちは、最先端のFunctional Medicine(機能性医学)の理論に基づき、「ケトン体質」を実践、啓蒙しています。
これは、糖質ではなく主に脂質を代謝して得られるケトン体をエネルギー源として活動できる体質のことです。
彼らは糖質をエネルギー源とすることを「Sugar Burning」と呼ぶのに対して、脂質をエネルギー源とすることを「Fat Burning」と呼んでいます。
日本でも今話題の「ケトジェニック・ダイエット」です。
現代人は主に糖質から得られるエネルギーを元に生活しています。
往往にして過剰の糖質を摂り、消費エネルギーが少ないため、常に糖質からのエネルギー供給サイクルに依存しています。
しかし、この糖質を減らした場合、体の細胞は脂肪を代謝しエネルギーを産生します。
このエネルギー源として活用されるのが脂肪を代謝して産生される「ケトン体」です。
エネルギー源が糖質から脂質に切り替わるとケトン体が活性酸素を消去する働きもあることより老化や病気を予防する働きがあります。
また、多くの人が実感することですがしっかりFat Burningに切り替わってくると異常な食欲というのが起こらなくなります。
また、皮下脂肪、内臓脂肪が減ったり、頭のさえが実感できるようになったり、さらには、食後に眠くなるようなこともなくなります。
認知症の予防や治療にも効果があるという研究結果もあります。
しかし、糖質を減らすと脂質や蛋白質が増えてかえって他の病気になりやすいのではと思われる方も多いと思います確かに脂質の質は大切です。
多くの脂質の中でも意識して摂りたいのはオメガ3系脂肪酸と中鎖脂肪酸を多く含み、酸化しにくいココナッツオイルやMCTオイルなどです。
サラダオイルなどオメガ6系脂肪酸は現代人が摂りすぎている脂肪酸で、過剰になると炎症を助長する働きがあるため、現代人は意識的に減らす必要があります。
またアメリカの自然派のDrたちはタンパク源である肉にももちろんこだわります。
彼らは肉を食べるときは必ずグラスフェッド(grass fed)と言い切ります。
グラスフェッドとは「放牧牛」のことです。
日本の畜産業の置かれている環境を考えると、グラスフェッドを手に入れることは容易でないことはお分かりかと思います。(でも探せばあります)
彼らは狭い畜舎でストレスの高い状態で質の担保されない飼料を食べて育った牛は避けなさいと言います。つまり必然的に環境の悪化もあり感染症の問題が常に潜んでおり、成長を促すためのホルモンや抗生物質を使う機会が多いということです。
さらにガンの治療で注目される
ケトン食+ビタミンC
さらに注目は「ビタミンC」抗酸化物質であり、抗がん作用も認められています。
Fat Burningの状態でビタミンCを摂取すると抗がん作用が増強すると言われています。
しかし、逆に糖質が多いとビタミンCの抗がん作用も弱くなるとの報告もあります。
これは、細胞にビタミンCが取り込まれる経路とブドウ糖が取り込まれる経路が同じで、ブドウ糖がいっぱいあると優先的にブドウ糖を取り込むからです。
しっかり糖質制限をした上で、高濃度ビタミンC点滴をすると抗がん作用の効果が上がりやすくなると考えられています。
さらに、抗がん作用を期待して治療する場合はビタミンCに加え、ビタミンBをしっかり摂り、ミトコンドリア機能を向上させておくことも大切です。
より高い効果を目指して「水素水点滴」
当院では現在ビタミン・ケトン療法(VKT)にさらにヒドロキシラジカルと呼ばれる悪玉活性酸素の除去を目的として「水素水点滴」も合わせて行えるように準備を進めています。
東京・辻クリニック 辻直樹院長も仰っているように高濃度ビタミンC点滴の後に水素水点滴を加えることで抗がん作用を高める可能性があります。*注意:糖質制限やケトン食、ケトジェニックダイエットなど様々な食事方法がありますが、すべての人に万能な食事法はありません。特に病気を治療中の方は主治医と相談の上実践してください。
Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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