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やせた土地には元気な木は生えない
2017年3月27日
近年、食物の栄養価が低下していることが問題になっています。
また、それに伴い「新型栄養失調」という言葉が表すように、現代人の栄養素の不足も問題になっています。
特に食物に含まれるミネラルの減少が目立ち、私たちもミネラル不足に陥っているケースが多くあります。
ある調査によると春菊に含まれる鉄の量はこの50年で80%以上減っているということです。
これには、化学肥料を使うことも関連しています。
化学肥料を使わないで植物を育てるとじっくりと時間をかけて土壌のミネラルを吸い上げますが、化学肥料を使うと食物の成長は早いのですがミネラルなどの栄養素は少なくなります。
そのほかの原因の一つは、加工食品。
スーパーにいくと多くの加工食品が並んでいます。これら加工食品には様々な添加物が含まれています。
中でもリン酸塩が広く使われています
リン酸塩はpH調整、沈殿防止、鮮度保持、風味向上、粘着力増加、カビ抑制などの目的で使われます。
しかし、多くのリン酸塩を取ると、胃内でイオン化したミネラルが、リン酸と結合します。
すると小腸で吸収されるはずのミネラルが吸収されず体外に排出されてしまいます。
また、ストレスが多すぎて胃酸の分泌が少なかったり小腸自体の粘膜もダメージを受けているために、栄養素をうまく吸収できない場合もあります。
あるいは、精製された糖質を摂りすぎるため、腸内細菌のバランスを崩している方もいらっしゃいます。
もし木を人間の体に例えるならば、栄養を吸収する根っこは食べ物から栄養素を吸収する小腸にあたります。
豊富なミネラルを含み、多様な微生物が生息する土壌は、ちょうど「腸内環境」に当てはまります。
腸内環境も多様な細菌が生息するおかげで、私たちの食べた食物から必要な栄養素を作り出したり、消化吸収しやすい形に変えてくれるのです。
農作物に害虫が寄り付かないように農薬を撒くということは人間では、抗生物質を内服することに似ています。
確かに人類は抗生物質の多大な恩恵を受けていきました。
しかし、腸内環境の多様性が失われ、本来人間の体のあちこちに生着し共生していた菌が、抗生剤などの環境要因により生着できなくなっています。
それによるデメリットも決して少なくはありません。
木で言うところの土壌や、根っこの健康がとても大事であるように私たちの腸内のケアは健康維持のためには必要なことなのです。
現代を生きる私たち人間はこれらのことも踏まえ、賢く、バランスよくより質の高い食材選びをし、またできる限り、環境に配慮したライフスタイルを目指し、目先のことだけでなく、長い目で、自分たちの子孫たちのことも視野に入れ、生活していきたいものです。
外来に様々な不調で来られる患者さんの中に鉄や亜鉛、マグネシウムなどエネルギー産生には欠かせないミネラルが欠乏している人が多くいらっしゃいます。
多くは腸内環境が悪く、栄養をしっかり摂れていない方たちです。
当院では、このような方の腸内環境を整えていけるよう分子栄養学的なアプローチでお手伝いしています。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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