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IgG食物過敏症検査(旧称:遅延型フードアレルギー検査)について
2017年3月30日
私たちの日ごろ口にする食材の中にアレルギー反応を起こし、慢性的な体調不良の原因になっているものがあるかもしれません。
一般的に知られているIgEと呼ばれる抗体を測定する「即時型アレルギー」検査に対して、摂取後すぐには症状は現れないものの、数時間から数日経過してから様々な症状を起こす「IgG食物過敏症(旧称:遅延型フードアレルギー)」ではIgGと呼ばれる抗体を測定します。
この検査の最も重要な意義は、間接的に「腸内環境」の乱れの程度を知り、リーキーガット症候群の有無を調べることです。
本来健全な腸粘膜は、小さな分子にまで消化分解された食物を吸収しますが、リーキーガット症候群などにより腸粘膜に障害が起こると、未消化の大きな分子の食物が体内に吸収されてしまうことになります。
これが原因で食物に対するIgG抗体が産生され、食物過敏症を起こすと考えられています。
※日本アレルギー学会では食物に対するIgG抗体測定を下記のように注意喚起をしています。〜一般社団法人日本アレルギー学会HPより引用〜
血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起
米国や欧州のアレルギー学会および日本小児アレルギー学会では、食物アレルギーにおけるIgG抗体の診断的有用性を公式に否定しています。
その理由として、以下のように記載されています。すなわち、
①食物抗原特異的IgG抗体は食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗体である。
②食物アレルギー確定診断としての負荷試験の結果と一致しない。
③血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけである。
④よって、このIgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断し、陽性の場合に食物除去を指導すると、原因ではない食品まで除去となり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもある。
以上により、日本アレルギー学会は日本小児アレルギー学会の注意喚起を支持し、食物抗原特異的IgG抗体検査を食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しないことを学会の見解として発表いたします。
〜引用ここまで〜※当院では、IgG抗体検査を元に陽性反応の出た食材に対して食事制限を行うような指導は行なっておりません。腸内環境の乱れを間接的に知る方法の一つとして捉え治療に取り入れています。
※2017年4月より検査ラボをUSBioTech社からDiagnosTechs社に変更しました(右図はUSBioTech社のレポートです)。これに伴い検査項目が106項目から120項目に増えました。検査料金(食物過敏症+カンジダ抗体検査)は据え置きです。
IgG抗体による食物過敏症に起因する症状は多岐に渡ります。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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