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特別講演会(3/24)第2部の内容について

2017年2月23日

前回は特別講演会の第1部の内容について書きました。

今回は第2部の内容について触れます。

第2部の最初の演題のタイトルは「妊娠するまでに是非知っておきたいセルフケア」ですが、講師の小池雅美先生は前回も書いたように、独自の触診や望診、脈診などを駆使してその人の栄養状態を診ていかれます。

長年分子栄養学にも携わって来られ、分子栄養医学研究会では特別指導医として後進の指導に当たっておられます。
近年、不妊治療を受けられる女性(男性も)の数が増えています。

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私の専門は元々消化器内科医ですから不妊症に携わることはなかったのですが、分子栄養学的を学び実際に臨床の場で取り入れるにつれ、少しずつ不妊の相談を受ける機会が増えるようになりました。

日本でも晩婚化が進んでいることも一因と思われますが、分子栄養学的な観点から分析すると、不妊で悩んでおられる女性の多くには、「ミトコンドリア機能」の低下を認めます。

ミトコンドリアとは私たちの活動に必要なエネルギーを産生してくれるいわばエネルギー工場の役割を果たす細胞小器官です。

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(Mitochondrion:ミトコンドリア)

私たち人間の体には60兆個の細胞が存在すると言われていますが、赤血球や皮膚の一部の細胞以外の全ての細胞に平均300個のミトコンドリアが存在します。

生殖を司る卵子には特にミトコンドリアの数は多く1つの卵子に10万個ものミトコンドリアが含まれています。それだけ受精から妊娠までには卵子がエネルギーを必要とする証でもあります。

このミトコンドリアがうまく機能しない場合、エネルギー産生が円滑に行われず、卵子としての機能を十分発揮することができなくなります。

科学雑誌Newtonでは2012年に「卵子の老化」を特集していましたが、その中でミトコンドリアの老化こそが細胞の老化と言っています。

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〜〜〜以下引用

ほ乳類の卵子研究を行っている東北大学大学院農学研究科の佐藤英明教授は「卵子の老化は細胞の中身に何か原因があるのではないか」と語る。

なかでも注目されたのが細胞内小器官「ミトコンドリア」だ。ミトコンドリアは、細胞内に蓄積された糖質や脂質等の栄養素を分解してエネルギーを生み出す細胞内小器官である。

もともと卵子には、他の細胞より多くのミトコンドリアが存在することがわかっている。

卵子が成長、受精、発生(体をつくるために分割すること)、着床をするまでには莫大なエネルギーが必要だ。その供給源は、卵子が発育する間に卵子内に蓄積された栄養素である。

〜〜〜以上引用

分子栄養学的に考えるならば、ミトコンドリアの活性にはビタミンやミネラルなどの補酵素が必須であり、現代人の一般的な食事からは必須の栄養素が不足する例が多くあることもミトコンドリアの機能を低下させ、老化を早める要因であると言えます。

確かに多くの患者さんのデータからは、ビタミン不足や亜鉛やマグネシウムなどのミトコンドリアが機能するためにはなくてはならない栄養素の不足を疑う所見が読み取れることが多々あります。

このような状態では、たとえ妊娠したとしてもそれを維持することが困難であったり、胎児に十分な栄養素を供給できることができず、生まれてくる子どもにも少なからず影響を与えることは想像にかたくありません。

そう考えた時、妊娠してからではなく、妊娠するまでにしっかり母親になるための栄養素を吸収できる体づくりということが大切です。こういうアプローチがこれからの社会の繁栄につながるのではと考えています。

具体的には、必要な栄養素を吸収するには、木でいうところの「根っこ」に当たる「胃腸」をしっかり整えることが重要です。
「胃腸」にトラブルがあると、栄養素を経口摂取したとしても十分に吸収することができず、結果としてミトコンドリア機能低下を招きます。

今回の特別講演会の第2部では、小池先生にみなさんがご自身で取り組めるセルフケアのお話をしていただきますが、内容はこれから妊娠を考えている方だけでなく、老若男女の方々にも是非聞いていただきたい有益な情報です。
また私もお時間をいただいて「腸内環境と遅延型アレルギー」と題してお話をさせていただきます。いかに腸内環境の乱れが様々な体調不良と関連しているかをご紹介いたします。
ご関心のおありの方は是非ご参加ください。

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