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3型糖尿病とは?
2016年9月 3日
戦前までは多くなかったのに、戦後飽食の時代を迎え、非常に増えた疾患の代表的なものが「糖尿病」です。
糖尿病には一般的に1型と2型があり、1型は感染などを契機に発症し、「インスリン依存型糖尿病」と呼ばれるのに対して、2型は過食や運動不足などの生活習慣により発症し、インスリンの抵抗性亢進や分泌量の低下が原因とされており、「インスリン非依存型糖尿病」と呼ばれます。
糖尿病自体は基本的に自覚症状のないものですが、進行し様々な合併症を起こすためこれらの予防が最大の目標となります。
代表的な合併症は
糖尿病性網膜症、
糖尿病性末梢神経障害、
糖尿病性腎症、
です。
これらの発症には、長期にわたる高血糖による「糖化」というプロセスが関わっています。
「糖化」とはエネルギー産生に利用されない余分な糖分が血液中に存在すると、組織内のタンパク質や脂質と結びつき、タンパク質を変性させ「終末糖化産物(AGEs)」と呼ばれる物質を産生します。
一般的にAGE'sは一旦蓄積すると不可逆で、シミやシワ、動脈硬化など老化に関係しています。
砂糖ミルクをフライパンで煮詰めていくと、最終的には茶色い「カラメル」と呼ばれる物質に変化し、この変化は不可逆な反応です。まさにAGEsはこのカラメルなのです。
この糖化反応は様々な組織で蓄積し、炎症の原因となります。慢性炎症は臓器の機能障害を起こし様々な疾患として発症します。最近ではアルツハイマー型認知症を「3型糖尿病」と呼ばれるようになっていますが、これは脳の神経細胞が糖化反応により不可逆な変性を起こしているからと考えられています。
また、この反応はアルツハイマーが発症する40年も前から始まっているというデータもあります。
つまり、アルツハイマーは青年期にすでに始まっているのです。一旦発症したアルツハイマーを決して薬が解決してくれることはありません。
そう考えると、いかに幼少時からの食習慣を中心とした生活習慣が大切かがわかります。
現代社会で人類は非常に糖質を多く取るようになり、糖化のリスクが非常に高くなっています。特に精製された砂糖や穀物の過剰摂取は確実に糖化ストレスとなり、細胞レベルでの老化を進めます。
幼少時からの「食育」がやはり大切なのです。
当院では簡易にAGEsを測定し、ご自身の老化の程度を知ることが可能です。
どうぞご自身のActive Aging(魅力的に年を重ねる)にお役立てください。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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