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Dysbiosis(腸内毒素症)④
2016年7月12日
さてDysbiosisの診断ですが、今のところ総合便検査(CSA:Comprehensive Stool Analysis)が得られる情報量が多く、利用されることが多くなっています。
この検査では、腸内細菌のバランス、細菌の種類、細菌量の他に、真菌の有無、炎症の有無(内視鏡検査でも確認できない)、消化酵素の量、IgA(免疫の亢進や低下)、短鎖脂肪酸の量(乳酸菌量を反映)、などを知ることが出来ます。
内視鏡検査、血液検査では『異常なし』とされているケースでもこの総合便検査では異常を指摘される事は多くあります。
ただし、この総合便検査における細菌検査では細菌培養を行っており、腸内細菌全体の約3割程度しか同定できていないと言われており、再現性に問題がある事も指摘され結果の解釈には注意を要します。
近年ではシーケンサーと呼ばれる細菌のDNAを網羅的に検査できる検査機器も使われるようになり、より正確な細菌叢を同定できるようになりつつあり、近い将来、培養による総合便検査にとって代わる検査となると考えられます。
たとえ内視鏡検査で異常なしと言われても、慢性的な膨満感や不快感、安定しない便通などDysbiosisを疑う症状がある場合や、消化器症状はあまり目立たなくても自閉症や自己免疫疾患、慢性疲労などDysbiosisとの関連性がある疾患(下図参照)がある場合は受けておく必要のある検査です。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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