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糞便細菌叢移植
2016年6月12日
糞便細菌叢移植(FMT)を行われている慶應大学の金井先生が抗加齢医学会で行なわれた発表によりますと、慶應大学で行なわれた重症潰瘍性大腸炎患者に行ったFMT10例のうち、改善を認めた例は一例もなかったそうです。
しかし、過敏性結腸症候群や機能性ディスペプシアなど、機能性疾患とされている疾患にもdysbiosis(腸内細菌のバランスが乱れた状態)が認められることが知られていますが、これらの症例にFMTを行ったところ、15例中10例に改善を認め、1年を経ても細菌叢の改善が認められたそうです。
金井先生の考察では、潰瘍性大腸炎のように腸粘膜に強い炎症がある疾患より、むしろ腸粘膜に炎症を伴わない疾患(過敏性結腸症候群に限らず、他の様々な疾患)にこそFMTの適応があるのではないかとのことでした。
また、潰瘍性大腸炎でも、他の治療法で寛解に至った症例に限り適応になるのではと仰っています。
海外では自己免疫疾患や自閉症にFMTを行う研究が行われていますが、今後のさらなる研究が待ち望まれます。
当院でもFMTに今後も注目をしていきます。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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