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Dysbiosis(腸内毒素症)②
2016年6月22日
Dysbiosisの元々の意味は細菌叢のアンバランスという意味です。ですから女性に起こるカンジダ(カビの一種)による性器感染症も局所のDysbiosisと言えます。
Dysbiosisの起こる原因の一つに抗生剤と書きました。確かに抗生剤の登場により医療が飛躍的に進歩し、それまで助からなかった重症感染症が治療できるようになり、抗生剤のもたらした恩恵は計りしれないものがあります。
しかし、人類が長年抗生剤を使い多くの使用経験を積んできたことで、抗生剤による負の側面も見えるようになってきました。
その後の人生の長きにわたり身体に影響があるなどと考えもしないで、必ずしも命に関わるようなことのない治療場面でも抗生剤が頻繁に使われてきました。(ニキビや鼻腔の感染症にまでも)
人類の叡智の結集とも言える待望の薬剤により、Dysbiosisのように様々な不都合が引き起こされるということは大変皮肉なことと言えます。これから私たち医療従事者はもちろん、患者さんも賢くなって不必要な場面ではむやみに抗生剤を飲まないようにしなければなりません。
さてこのDysbiosisが根本原因であると考えられる疾患には次のようなものがあります。Dysbiosisを診断するための検査はあるのですが、残念ながら今のところまだ広くコンセンサスを得ている検査ではなく保険適応がありません(改めて紹介します)。ですから下記の症状の合併がないかなど注意深い問診も大変重要です。
中でも今までに長期にあるいは頻繁に抗生剤の使用をしてきたことのある方で、下記のような症状のある方はDysbiosisの疑いが強いと言っていいでしょう。
・腹部膨満感
・体重増加
・食欲の異常亢進
・真菌(カビ)の異常増殖
・過敏性腸症候群(IBS)
・炎症性腸疾患(IBD)
・リーキーガット症候群(LGS)
・寄生虫
・セリアック病/グルテン過敏症
・小腸内細菌異常増殖(SIBO)
・女性性器感染症
・食物アレルギーや過敏症
・慢性疲労症候群(CFS)
・うつ
・皮膚疾患(ニキビ、酒さ、湿疹)
かなり多くの人が当てはまるのではないでしょうか? アメリカでは3000万人がDysbiosisであるとの調査もあるようです。
次回はSIBO、LGSについてです。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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