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「ネガティブ思考」のすすめ
2016年1月19日
ある患者さんは言います。
「私はいつもポジティブな気持ちでいましたよ。悲観的な気持ちになんて一度もありません。でもどうして、この私ががんにならなければならないのでしょう...。」
先日、ある本に出会いました。この本の中にこの患者さんにとって答えに近づくヒントがありました。ガボール・マテ著『身体がノーと言うとき』
普段私が気になっていた事を代弁してくれています。
思考の力は偉大です。それは私たちの幸福感や健康、そして人生を大きく左右する力なのです。
しかし、「ポジティブ」思考と言った途端に、現実の「ネガティブ」な部分が排除されてしまいます。
本当のポジティブ思考は、あらゆる現実を認めるところから始まります。それは、どんな現実にも直視できる、自分に対する信頼感でもあります。
しかし多くの場合、不安を直視しないために不安を封じ込める方法としてポジティブ思考を身につけている事があります。
それは傷付いた子どもが身につけるパターンで、そのまま大人になり、この自己防衛手段を持ち続けている人は少なくありません。
治癒のためには、ネガティブに考える勇気を奮い起こす事が必要です。ここで言うネガティブ思考は決して「悲観的思考」ではありません。それはむしろ、なにが上手くいっていないかを考える姿勢で、「私は何をないがしろにしてきたのか?」「私の身体は何に対してノーと言っているのだろう?」と問いかけをする事なのです。
ポジティブ思考の根底には、自分には現実に対処する能力がないという無意識の不安が隠されています。
がんにかかわらず、慢性疾患を患う方は、一度ネガティブ思考になって、あなたの身体が何に対してノーと言っているのか考えてみる事で、大きな治癒力が引き出されることになります。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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