- ルークス芦屋クリニック
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自己治癒力を高める
2015年6月10日
外来で診察をしていると、よくある光景の一つに次のようなものがあります。
患者「のどが痛くて、咳が出ます」
医者「どれどれ、、、、そうですね。のどが赤くなっていますね。風邪をひかれたようですね。」
患者「明日、どうしても休めないのです。すぐに治る注射でも打ってください!!。」
医者「風邪の多くの原因はウイルスです。残念ながら特効薬はないので、症状を緩和させる治療がメインになります。なによりもゆっくり休んで「自己治癒力」を高めることが最善の治療です。無理をなさるとかえってこじらせることになりますよ。。。。」
ということで、症状を緩和させる薬を出すのですが、決して我々医師が処方する薬がその患者さんを治すわけではないのです。
確かに辛い高熱を緩和したり、痛みを抑えたり、薬ももちろん意味があるのですが、ウイルスそのものをやっつけているわけではなく、結局治すのは患者さん自身の「自己治癒力」なのです。
幸い風邪ならば、多くの場合少々無理していても「自己治癒力」が発動して長引くようなことはないのですが、慢性的な心身の疲労やストレスがたまると、知らず知らずのうちに自己治癒力も下がっていることがあります。医学的には「副腎疲労」の状態と言えます。そうなると、様々な慢性症状を引き起こすことにもなります。
なんとなく朝がつらいとか、なんとなく胃が重いとか、なんとなく頭が重いとか、それは自己治癒力の低下のサインかもしれません。それでもがんばる人は、コーヒーの飲んだり、胃薬を飲んだりして頑張れてしまうのです。
でもどうか、身体の声に耳を澄ましてあげてください。どうかご自身に「水やり」をしてあげてください。その症状は身体からの「メッセージ」なのです。副腎が疲弊しきってしまう前にどうか気づいてあげてください。
慢性疾患で辛い思いをされている方の多くは、頑張りすぎて自己治癒力が下がっていることがあります。そのつらい症状を緩和する薬だけでなく、その上流にある自己治癒力の低下にもアプローチして、崩れたバランスを戻してあげることが、本来の治療なのかもしれません。
さらには、その自己治癒力を低くしてしまうようなその人の「考え方のくせ」にも注目し、その人に気づいてもらい、一緒により良い思考を気づいていくことで、安定した「自己治癒力」を取り戻すことが可能になると日々考えているのです。。。。。 Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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