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人工甘味料と腸内フローラ

2018年11月27日

最近の糖質制限ブームの影響で「糖質は減らさないといけない」という意識をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

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でもやはり甘みを断つ事もなかなかできず「人工甘味料」の入った炭酸飲料やお菓子を摂る人も多いと思います。

サッカリンやスクラロース、アスパルテーム、アセスルファムなどは、甘みはしっかりあるが血糖を上げることはないとのことで多くの加工食品に含まれ、商品によっては「ダイエット」商品として市場を席巻しています。

私は車で出かけることが多いので宴会の席でもアルコールは飲まないのですが、すると気を利かせた同席者から「ノンアルコールビール」を勧められる事があります。このノンアルコールビールにもアセスルファムなどの人工甘味料が含まれているものが多くあります。

そして2014年に、この人工甘味料に関して気になる報告がありました。

血糖を上げないという事は糖尿病の予防になるというので、砂糖の代わりに人工甘味料をとれば、皮肉なことに耐糖能異常(血糖をコントロールする作用が低下する)が認められるようになるというものです。つまり人工甘味料を摂る方が糖尿病のリスクがあがるというのです。(Nature volume514, pages181-186 (09 October 2014))

この研究では、腸内細菌を人工甘味料を含む培養液で培養し、無菌マウスに便移植したところ、耐糖能異常が出現したとのことです。つまり、人工甘味料の直接的な作用ではなく、腸内細菌を介した作用により人工甘味料が耐糖能異常を引き起こすようです。

糖質制限ブームの影響もあり、人工甘味料が使用される加工食品も増えています。人でのデータはまだ少なく科学的な根拠としてはまだ乏しいのですが、人工甘味料を多く摂っている人は注意が必要かと思います。

さらに人工甘味料が、過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎、クローン病といった腸疾患のリスクを上げるという研究や、Leaky gutもスクラロースがリスクを上昇させるという研究もあり、今後注目して行く必要がありますね。

最近ではSIBO(小腸内細菌異常増殖症)や過敏性腸症候群の治療法の一つに低 FODMAP食が注目されていますが、この考えに従うと人工甘味料は腸内で発酵するために腹部膨満などの消化器症状を増悪させます。低FODMAP食を続けると腸内フローラのバランスが整い、症状が改善すると言われています。血糖が気になる人だけでなく、お腹の不調のある人も人工甘味料にはご注意ください。

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