細胞の働きを分析する
「バイオロジカル検査」
(保険適用外)
「自己治癒力」を科学的・客観的に評価するためにデザインされた検査で、尿や便、血液や毛髪などの検体を調べることにより、「細胞レベル」「分子レベル」での機能異常を知ることが可能です。当院では下記の検査を取り入れています。
腸内フローラ検査・移植
ヒトの腸内に生息する腸内細菌は1000種類以上いると言われており、腸内細菌叢(さいきんそう)=腸内フローラを形成しています。腸内フローラの乱れにより様々な病気(腸炎、関節リウマチ、がんなど)にかかる危険が高まることも分かってきました。それらの遺伝子(16SrRNA)を網羅的に解析することで、あなたの腸内に生息する腸内細菌の種類やバランス(多様性)を知ることができます。これをもとにあなたの体に合った食事指導や治療法をご提案することが可能です。
当院では腸内フローラ移植を受ける方のドナーを決定する際の参考にもこの腸内フローラ検査を活用しています。
図は腸内フローラ移植(NanoGAS®-FMT)受けた方(50代女性・潰瘍性大腸炎)の腸内フローラ検査の変化を示したものです。NanoGAS®-FMT前に比べ、終了後の腸内フローラにはPrevotellaが増え、慢性炎症を示唆するC.clusterⅪが消失していることがうかがえます。
腸内フローラ移植の症例についてはこちらもご参照ください。
尿中有機酸検査
体内での代謝によって生成された有機酸の量を調べる検査です。腸内で異常増殖する真菌(カビ)や悪玉細菌の産生する毒素を調べることで間接的に腸内でのdysbiosis(腸内毒素症)の有無を調べます。そのほかに細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアの働きや脳のホルモンバランス、解毒(デトックス)能なども調べることが可能です。
腸管バリア検査
腸の働きには食べ物を消化吸収する以外に、不要なものを体内に取り込まないための「バリア」としての役割があります。リーキーガット(Leaky
Gut腸もれ)は、腸管上皮細胞に炎症が生じてタイトジャンクションが開き、通常は通せない未消化の食物分子やカンジダなどが通過できる状態を指します。
「腸管バリア機能検査」は、腸管上皮細胞間に存在するタイトジャンクションの状態を確認するための検査であり、この検査では主要な4つのマーカー(カンジダ、ゾヌリン、オクルディン、LPS)に対するIgG抗体+c3dおよびlgA抗体(全8項目)を測定します。これらの抗体が一つでも陽性の場合は、腸管粘膜の透過性が亢進しリーキーガットの状態であることが示唆されます。
IgG食物過敏症検査(旧称:遅延型フードアレルギー検査)
一般的に知られているIgEと呼ばれる抗体を測定する「即時型アレルギー」検査に対して、摂取後すぐには症状は現れないものの、数時間から数日経過してから様々な症状を起こす「IgG食物過敏症(旧称:遅延型フードアレルギー)」ではIgGと呼ばれる抗体を測定します。リーキーガットがあると様々な食材に対するIgG抗体が陽性になりやすいため、リーキーガットの重症度を推測する検査と位置付けられています。
SIBO呼気検査
本来ならば小腸でのガス産生量はわずかですが、SIBOでは食事に含まれる発酵し易い糖質が小腸内で発酵されることでガスの発生が多くなります。このガスは主に水素とメタンですが、血流に乗って全身をめぐり、肺にも到達すると呼気中に含まれるようになります。この機序を利用したのが「SIBO呼気検査」です。食後120分以内に呼気のガス濃度が増加していればSIBOと判断しています。この検査は、まだSIBOのゴールドスタンダードの検査とは言えませんが、アメリカ消化器学会でもより良いSIBOの検査の方法や解釈について議論がなされています。(the american journal of gastroenterology volume 112, pages 775–784(2017))
この検査ではSIBOの有無は判定出来ますが、リーキーガットの有無やカンジダ増殖については判断できません。これらの検査が必要な場合は、必要に応じて腸内フローラ検査、IgG型食物過敏症検査や尿中有機酸検査を行い総合的に病態を判断していきます。
GI-MAP
GI-MAPはリアルタイムPCRを利用した総合的な便検査です。糞便の中に含まれる主な細菌量やバランス、病原性のウイルス、原虫、寄生虫などの有無のほか、消化能力、免疫の状態、ゾヌリン(リーキーガットで陽性になるタンパク質)などを調べることができるため、包括的に腸内環境を調べるためには有用な検査です。
唾液検査(シルハ)
唾液検査(シルハ)は、口腔内環境に関する6つの指標(むし歯菌、酸性度、緩衝能、白血球、タンパク質、アンモニア)を検査します。腸内環境と口腔内環境は密接に関係していることが明らかになってきました。腸内環境を整えるには腸に注目するだけでなく、合わせて口腔内環境のケアを行うことが大変重要です。唾液をとることで約20分で口腔内環境を知ることができます。ぜひ一度お試しください。口腔内環境に問題がある場合は、プロバイオティクスの他、口腔ケアについて口腔ケア及び腸内環境のケアについて指導いたします。
オリゴスキャン
(ミネラル重金属検査)
オリゴスキャンでは短時間で体内に蓄積する有害金属とミネラルを測定でき、迅速な対応が可能となりました。
毛髪検査とオリゴスキャンを併せて行うことで、現在の蓄積量に加え、あなたのデトックス能を知ることができ、治療方針を立てる際の重要な情報が得られます。
主な有害重金属の人体への影響は多岐にわたります。
毛髪ミネラル・重金属検査
水銀やカドミウム、鉛などの体内の有害重金属の蓄積は様々な体調不良を引き起こし、生体反応に必要なミネラルバランスを崩す大きな原因となります。
毛髪検査では過去3ヶ月の暴露された有害重金属の量や排毒能力(デトックス機能)のほか、ミネラルのバランスを知ることが可能です。
※ミネラル輸送障害の有無のほか、重金属のデトックス機能を評価いたします。
環境毒素検査
工業化された現代社会において、環境からの汚染物質に暴露される機会が増え、社会問題となっています。芳香族化合物による深刻な毒性作用には、吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、めまい、眠気、錯乱、震え、意識消失などがあり、長期的な暴露は複数の器官系統に影響を及ぼす可能性があります。
芳香族の溶媒は、プラスチック、塗料、ニス、樹脂、合成繊維、輪ゴム、潤滑油、染料、洗剤の製造など、商業的に様々なかたちで利用されています。また、印刷産業や皮革産業、多くの産業用洗浄剤でも用いられ、ガソリン、飛行機燃料、たばこ煙が本来持つ成分でもあります。パラベンは防腐剤として、美容、製薬、工業製品の多くに使われています。
これらは特有のエストロゲン作用および他のホルモン関連の作用を持ち、一部の乳癌細胞で検出されています。フタル酸塩は、柔軟性を持たせるためにプラスチックの製造で使われているほか、化粧品、洗剤、シャンプー、持続放出型の調合薬にも使われます。フタル酸エステルは、神経障害および発達障害を引き起こすことで有名な内分泌かく乱化学物質であり、トリプトファン代謝を阻害し、キノリン酸(炎症誘発性・神経毒性化合物)を増加させる可能性があります。また、フタル酸塩は胎児(特に男児)の発育異常にも関与しているとされています。これまでに挙げた毒素への暴露がもたらす生理的作用は、その物質に曝されている量と期間、暴露の経路(空気、水、食物、皮膚)、暴露と同時に他の化学物質が存在していたかどうか(一部の化合物は累積作用を持つため)など、多くの要因に依存します。
マイコトキシン検査
マイコトキシン(Mycotoxin)とはカビが発する毒素の総称で、これを取り込むと様々な体調不良や疾病の原因となります。「尿中マイコトキシン検査」は尿中に出て来たマイコトキシンを定量するものです。マイコトキシンによる症状に対しての治療は、主に吸着剤を使い体外へ排出させる方法をとります。また、カビの増殖しやすい湿気の多い環境を避けるということも重要で、湿気の多い日本ではなかなか難しい場合もありますが、除湿機や空気清浄機を上手に使うことで対処可能です。
糖化ストレス検査(AGEs)
糖化反応とは、糖が酵素の反応なしにタンパク質または脂質に結合する反応のことです。体内にあるタンパク質や脂質が食事や飲み物から摂取した糖と’糖化反応/メイラード反応’によって結びつき、”酸化反応”などの影響を受けて「終末糖化産物(AGE)」という物質に変化し、体内に蓄積してしまいます。これが「糖化ストレス」と呼ばれ、細胞老化の原因の一つです。AGE蓄積量の増加はタンパク質の変化を引き起こし、肌、血管、骨、臓器を老化させ、様々な病気をもたらします。老化の現れとしての肌のくすみや弾力性の低下は、皮膚のコラーゲンタンパクの糖化反応による褐色化(シミ、くすみ)や硬化性の変質(シワ、たるみ)が主因です。これらを「身体の焦げ付き状態」と呼びます。当院では、AGE
readerにより簡便に「AGEs」を測定し、あなたの「糖化ストレス」を知ることが可能です。
睡眠検査
睡眠に問題があると、高血圧や糖尿病、うつ病、認知症、脳卒中、さらにはIBSやSIBOといった慢性的な消化器症状など、さまざまな病気のリスクが高まることが分かっています。そのため、ご自身の睡眠状態を客観的に知ることはとても大切です。当院では、脳波を用いた「睡眠検査」を行っており、詳しい睡眠の質を把握することができます。
脳波を測定するからこそ、浅い眠りや深い眠り、レム睡眠といった睡眠の状態を細かく分析でき、眠れていないと感じていた時間と実際の睡眠のずれを確認することも可能です。また、検査によって睡眠障害のリスクも明らかになり、特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)が強く疑われる場合には、提携している呼吸器内科をご紹介いたします。さらに、CPAPの使用が難しい場合には、歯科での口腔内装置(OA)の作成といった対応につなげることもできます。
加えて、睡眠時間や生活リズムの乱れがどのように睡眠の質へ影響しているかを評価し、その結果と問診内容をもとに、睡眠の専門家が改善のための具体的なアドバイスを行います。検査はご自宅で簡単に機器を装着して受けることができ、終了後には詳しい「睡眠レポート」を作成してお渡しします。通院の負担も少なく、日常生活の中で自然な状態の睡眠を記録できるため、ご自身の睡眠を見直すきっかけとして安心して取り入れていただけます。
自律神経検査
自律神経は、内臓の働きや血圧、体温調節などを無意識にコントロールする神経系です。そのバランスが崩れると、疲れやすさ、めまい、動悸、不眠、便秘などの症状が現れることがあります。自律神経検査では、心拍変動(HRV)や皮膚温、呼吸数などを測定し、自律神経の状態を評価します。これにより、ストレスや生活習慣が自律神経に与える影響を把握し、改善策を提案することが可能です。
体組成計検査(InBody)
InBodyは、体重だけでなく、体脂肪率、筋肉量、内臓脂肪レベル、部位別の筋肉バランスなどを高精度に測定できる医療用体成分分析装置です。この検査により、ダイエットや筋力トレーニングの効果を数値で確認でき、健康管理や運動プログラムの立案に役立ちます。結果はプリントアウトしてお渡しすることができ、日々の健康維持に活用できます。
口腔内細菌顕微鏡検査
口腔内には多くの細菌が存在し、そのバランスが崩れると虫歯や歯周病、口臭などの原因となります。位相差顕微鏡を用いた口腔内細菌顕微鏡検査では、唾液や歯垢を採取し、細菌の種類や数、活動状態を観察します。これにより、お一人おひとりの口腔内の状態に応じた適切な治療や予防策を立案することができます。
口臭測定検査
口臭は、食事や睡眠、生活習慣などによって変動します。口臭測定器を使用した検査では、0~100の数値でお口の中のにおいを測定します。時間帯や食前・食後で数値が変動するため、複数回の測定が推奨されることがあります。測定結果に基づき、口臭の原因を特定し、治療へと繋げます。
水素治療
体の細胞は生きるためにミトコンドリアと呼ばれる小器官でエネルギーを生み出しますが、その際に発生する「活性酸素」がDNA、細胞、組織を破壊し、これによる機能障害が様々な疾患を引き起こすことが解明されてきました。
水素はそのうちの悪玉活性酸素「ヒドロキシラジカル」を消去する作用があることがわかり、最近になり治療として使われ始めました。
近年では世界的に多くの研究機関が水素の臨床応用について研究を行い、その多くの有効性についてのエビデンスが蓄積されつつあります。
点滴療法
経口での栄養補給では効果が不十分な場合、より短時間での効果を期待して点滴や静脈注射による栄養素の補給を行います。特にビタミンCは消化管からの吸収量には限界があるため、超高濃度での抗がん作用を期待して投与する際などには点滴が有効です。
当院では以下を取り扱っております。
サプリメント
当クリニックでは、最新の分子栄養学的に基づいたバイオロジカル検査を行うことで、従来の検査ではわからなかった栄養素の偏りや有害重金属の蓄積などを知ることが可能です。バイオロジカル検査の結果に基づき、あなたに最適なサプリメントを提案いたします。
還元電子治療
多くの病気や体調不良の背景には「酸化ストレス(細胞の酸化)」が関与していると考えられています。酸化は、体内の電子のアンバランスやフリーラジカルの影響によって引き起こされます。
還元電子を補うことを目的とした治療法は、代替医療の分野で注目されており、医療機関や在宅ケアでも取り入れられています。私たちのクリニックでは、こうしたアプローチを含めて、より本質的な健康回復を目指す取り組みを行っています。