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症例①のその後
2017年10月11日
以前にこちらで紹介した症例1ですが、
その後の報告です。
先日の講演会でも報告したのですが、参加できなかった方にもシェアしておきますね。
この方は
「壊疽性膿皮症」による難治性皮膚潰瘍と「腸管神経細胞節僅少症」という腸の病気を長年患っていらっしゃる方です。
(この二つの疾患は合併しやすく原因は「不明」とされています。いずれも厚生労働省に「難病」指定されています)
前胸部と左上腕にあった壊疽性膿皮症による難治性潰瘍はステロイド離脱後も順調に改善傾向を認め、Fig. 1のように瘢痕化し、周辺に発赤を残すのみとなりました。
Fig. 1 (長年行ってきた頻回のガーゼ交換も不要になった。)
前回報告後も日を追うように変化を起こされ、積極的に外に出て行かれるようになりました。
今では、ボランティア活動をしながら定期的にスポーツジムにも通われています。
Fig. 2では、ステロイド使用中の浮腫みがとれ、体型だけでなく、ファッションにも変化が。
Fig. 2(来院時は引き込もりがち。今では積極的に外に出て行かれている)
9月には一時的ではあったものの経鼻チューブが外すことができて(Fig. 2右端の写真)洗顔を数年ぶりに味わえ、大変喜んでいらっしゃいました。
(現在再度経鼻チューブを挿入していますが徐々に経口摂取も増えており、近い将来完全抜去もできると考えています)
このケースの場合、
大きな変化をもたらした要素として①腸内環境の改善(食事+サプリメント)
②ミネラル・ビタミンの補給(食事+サプリメント)
③心理的な変容(イメージ療法、「ハッピーノート」の作成)
④運動(自宅とジムでの筋トレ➡︎ステロイドによる筋萎縮の改善、ミトコンドリア機能改善)
などが挙げられます。
「難病」とレッテルを貼られてしまうとつい「もう治らない」と思い込みがちですが、本来自己治癒力は誰にでも備わった能力で、「細胞が喜ぶ環境」さえ整えれば細胞は本来の仕事をし始めます。
この方の場合も栄養が整い、心が整い、たとえ「難病」だったとしても「治る」可能性があると思えた時、自己治癒力のスイッチがオンになったんでしょうね。
本当に私たちは患者さんから学ぶことがたくさんありますね。
さて、あなたの細胞は喜んでいますか? Dr.城谷昌彦
20年以上消化器内科医として臨床をやってきたことで、非常に多くの患者さんから学びと気づきを得る事ができました。 その経験に加えて、何より自分自身が大病を患った経験を通して、一人の患者として「自分が受けたい医療」という視点を大切にしたいと考えて、日々の気づきをつらつらと芦屋から配信していきます。
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