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今までの食事療法を覆す「低FODMAP食」

2018年1月14日

過敏性腸症候群(IBS)は従来ストレス関連疾患の一つとして考えられ、ストレスが増えると症状が悪くなると考えられていました。

例えば試験前で緊張したり、仕事でプレゼンが近付いて緊張したりなどの慢性的なストレスや、大きなストレスが要因となり腹部症状を引き起こすというものです。
確かにストレスが加わることで腹部の症状(下痢や便秘、腹痛、腹満感など)が出るのですが、それは必ずしもストレスだけが原因でもないことがわかってきました。
ストレス以外の要因の一つとして、あなたが食べているその食事が関連してるとしたらどうしますか?
実はあなたが普段口にするものがIBSの症状増悪に関連しており、「低FODMAP食」と呼ばれる食事法を実践することでIBSの症状に改善が認められることが、オーストラリア発の研究でわかってきたのです。

これまで一般的に「お腹に良い」とされている食事法として「食物繊維を多くとる」というものが推奨されてきました。
病院でも医師や栄養士により「食物繊維をしっかりとり、脂っこいものは控えましょう」というような曖昧な指導を長年行われてきました。(長年私もこれに近い指導をしていました。。。)

確かに一部の人はこの食事療法を実践することで便通が良くなり、体調が良くなることを実感します。
しかし、中には逆に腹部症状が増悪する人も結構いるのです。

FODMAPとは
F : 発酵性
O : オリゴ糖  ガラクトオリゴ糖とフルクタン
D : 二糖類  ラクトース(乳糖)が代表
M : 単糖類  フルクトース(果糖)が代表
and
P : ポリオール類  ソルビトールやキシリトール
の頭文字をとったもので、つまり発酵しやすい4種類の糖類のことです。

「腸内細菌を増やして健康に」というような文言が雑誌や新聞、インターネットでも多く見かけるようになりましたが、納豆やヨーグルト、発酵食品などの一般的に「腸に良い」とされるものは、実は誰にでも良い効果をもたらさないどころか、下痢や腹痛などむしろ悪影響を及ぼすことがあることがわかってきたのです。

特にIBSやSIBO(小腸内細菌異常増殖)などで辛い腹部症状をお持ちの方たちが、食物繊維の豊富な食品や発酵食品を多く摂ると腹部症状が悪化しさらに苦しむことになりかねないのです。

以前にもブログで書きましたが、IBS患者の腸内では、Lactobacillus、Villonellaという細菌が増えていますが、これらの細菌は大腸内で「短鎖脂肪酸」という物質を多く作ります。

これまで短鎖脂肪酸は私たちの体に良い影響を及ぼすとされていましたが、IBSやSIBOの人たちにとっては様々な悪影響を及ぼすことが示唆されています。

FODMAPの特徴は、小腸で吸収されにいということで、これらが小腸に入ってくると体はこれらの濃度を薄めようとします。すると小腸から大量の腸液が分泌されることになります。その結果下痢を起こすのです。

小腸で吸収されなかった糖類は、大腸では腸内細菌の格好のエサになり、短鎖脂肪酸を多く産生することにな流のですが、お腹の弱い人にとっては逆効果となるので注意が必要です。

低FODMAP食とは?

「低FODMAP食」はこれらの食材を極力控えた食事なのですが、昨今の「糖質制限」や「グルテンフリー」といった食事療法が注目され、「低FODMAP食」に近いことを実践されている方もいらっしゃいます。
某ダイエット専門ジムで指導される「糖質制限」は必ずしも誰にでも適応されるものではないと私自身感じていますが(特に副腎疲労の傾向のある人は禁忌です)、このジムに通う人の中には、ダイエットが成功してくるとお腹の調子もなんとなくいいという人が多いそうです。これは知らないうちに低FODMAP食を実践していたからと考えられます。

またグルテンを多く含む小麦も高FODMAP食に分類されますから、グルテンフリーをするとお腹の調子が良くなるという人の中には、低FODMAP食による恩恵である場合もあるはずです。

IBSやSIBOと診断されていなくても、なんとなくお腹の調子が悪い人は、一度低FODMAP食を実践してみることをお勧めします。

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(江田証著 専門医が教える お腹が弱い人の胃腸トラブルより)

JR芦屋駅から徒歩4分のルークス芦屋クリニック(内科・消化器内科・心療内科)では管理栄養士による食事療法を行なっていますが、IBS、SIBOなどの腹部症状を訴えられている方には、低FODMAP食を含め個別性の高い指導を目指しています。

気になられる方は一度ご相談ください。

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